健常者も障がい者も共に参加できるレースを。【自転車競技大会のオーガナイザー・松倉信裕の場合】


障がい者と健常者は別組織という国際競技団体も多いが、国際自転車競技連合はパラサイクリングも自転車競技の一分野という考え方で、2006年以降、各国の健常者の自転車競技団体をその窓口にしている。この自転車競技の健常者と障がい者の統合へ向けて日本での要となるのが、両分野に関わる松倉信裕氏である。


トラック、ロード、パラサイクリングの国際審判として世界から信頼を寄せられ、2016年にはパラリンピックとオリンピックの両方で執務。また、アジア自転車競技連合の理事及びパラサイクリング委員長に就いていた時には、パラサイクリングのレースを健常者のレース日程に組み込んで実施しやすくする仕組みを作った。現在は、日本自転車競技連盟の常務理事、日本学生自転車競技連盟(学連)の理事長として、主要大会の企画運営に携わっている。

ふたり乗りのタンデムは、かつてオリンピックでもレースがあった競技のひとつで、学連の大会では大学生によるタンデムのレースを行っている。学連OBが障がい者大会に協力するなどの接点があったことから2006年に初めて障がい者と健常者のレースを同時開催した。

2017年3月には、学連主催の大会「第11回明治神宮外苑大学クリテリウム」と、パラサイクリングの国際大会「パラサイクリング・タンデムロードレース」を同時に開催し、これはアジアのパラサイクリング史に残る一歩となった。松倉氏は「都心でやるイベントの意義として、社会へのインパクトを盛り込みたいと考えました」と振り返る。

「タンデムは前後の人間関係が大切な競技です。息の合う仲間ととことん走るという感覚を若い学生に経験してもらいたい。それがタンデムの魅力でもあります。今後は、男女で1台を組む混合レースも行いたいですね」と松倉氏。

大会運営を通じて、選手が強くなっていくのを見るのが楽しみだと続ける松倉氏は、「やっててよかったな、と思いますね」と目を細めた。


2014年に開催されたUCIパラサイクリングロード世界選手権にて審判執務中の松倉氏

interview&photos by Yuko Sato

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