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Sports /競技を知る
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「アジアをビビらせたい」「必ず金メダルを」パラ水泳ワールドシリーズ、アジアパラへ向け日本勢が好発進!

5月29日から31日までの3日間、パラ水泳のワールドシリーズが静岡県立水泳場で開催された。日本での開催は昨年に続き2回目。世界パラ水泳連盟のポイントシステムに基づき、障がいのクラスを超えて同じレースで金メダルを争う今大会には、27ヵ国249人の選手が参加。連日ハイレベルなレースが繰り広げられた。
メダル獲得を見据えた選考方針
今大会は、今秋に開催を控える「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」や8月にアメリカのカリフォルニア州で開催される「パラパンパシフィック大会」の日本代表選考会を兼ねており、日本パラ水泳連盟の選考方針のもと、ベテランから次世代を担う若手まで多くの選手がエントリーした。
「愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会」に向けて、パラ水泳の選考では「メダル獲得」を最優先とする方針がとられた。
事実、前回のアジアパラで水泳チームが獲得したメダル数は、日本代表選手団トップの56個(うち金19個)。自国開催の舞台でもその期待に応え、日本勢全体を引っ張る存在でありたいという思いがある。そのため、中国などの強豪がひしめくハイレベルなクラスと、メダルに直結しやすいクラスとで異なる派遣標準記録が設定された。
さらに、2028年のロサンゼルスパラリンピックを見据え、複数種目でメダルを獲得できる「マルチメダリスト」の育成・輩出という意図も選考方針に盛り込まれた。
アジアパラでは、非パラリンピック種目も実施される。その選考会のワールドシリーズでは、パリ2024パラリンピックの男子50m背泳ぎなどに出場した田中映伍が、非パラリンピック種目である男子200m個人メドレー(S5)に挑戦し、日本新記録を樹立。伸びしろのある選手の可能性を広げる狙い通り、好結果につながった。
パリ以降、若手育成のシステムもアップデートされた。日本パラ水泳連盟では、高校卒業後の選手が強化指定へ移行する際の障壁をなくすため、「アジアパラ強化枠」が新設され、代表に近い位置にいる選手を途切れなくサポートする体制を整えた。その結果、大学生の松永琴寧らがアジアパラ代表に内定した。
こうした若手を後押しする選考方針は、新星の台頭につながっている。今回の選考では中学生の都甲万結、山田龍芽、知的障がいクラスでは佐藤璃來が初のアジアパラ代表内定を勝ち取った。しかし、これはまだ通過点。日本チームの底上げを担う若き力が、ここから世界を舞台にどう羽ばたいていくのか目が離せない。
開催地を沸かせる! 愛知ゆかりの注目スイマー
アジアパラの代表内定選手の中には、自国開催の舞台となる愛知ゆかりのスイマーたちも名を連ねている。ここからは、地元の大声援を背に戦う2人を紹介したい。
ひとりは愛知県豊田市出身の22歳、岡島貫太。この3月に日本福祉大を卒業し、セントラルコンコルドグループに就職。社会人1年目で新しい環境に身を置きながらも、会社の理解もあり定時から1時間半早上がりで練習に励んでいる。今大会には「アジアパラ前に、アジアをビビらせたい」と気合を入れて臨んだ。100m自由形とリレーで派遣B標準記録を突破したものの、目標としていた自己ベストには届かず。得意の50m自由形でも6位にとどまり、「意識していた大きな泳ぎはできていたと思うが、まだ甘かったのかもしれない」と悔しさをにじませた。
パラリンピックに2大会連続で出場している南井瑛翔は、現在23歳。昨年、近畿大学を卒業し、愛知県豊田市に本社を置くトヨタ自動車に就職した。今回のワールドシリーズでは、100mバタフライ、200m個人メドレー、400m自由形の3種目で派遣A標準記録を突破。しかし、本人は「練習はしていたのに、レースとなるとなかなかうまくいかない」と浮かない表情を見せた。
それでも、選考会を終えた2人の言葉からは、アジアパラへの強い決意がのぞく。
「日本のS9クラスのトップ選手として活躍したいし、恥じないタイムを出したいです」(岡島)
「応援してくれる人たちに、自己ベストを出している姿を必ず届けたい。金メダルを獲れるようにがんばります」(南井)
パラ水泳日本代表の上垣匠監督は「全体的に好記録もたくさん出た。アジアパラに向けていい滑り出しができた」と選手たちの奮闘を称えた。
メダルラッシュが期待されるアジアパラのパラ水泳は、10月19日から23日まで、名古屋市総合体育館(レインボープール)で行われる。
text by Asuka Senaga
photo by X-1