[日本財団ビル 自営消防総合訓練] 車いすユーザーの搬送を含む災害時の避難訓練を実施

2015.12.02.WED 公開

日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)などは2日、火災を想定した自営消防総合訓練を日本財団ビルで実施した。

共同オフィス開所後、初めての避難訓練。4階のオフィスに入所している競技団体の職員には、車いすユーザーも多く、全員が出勤した場合は職員だけでも7人となる。また、その他に来客などで数が増えることも予想される。いざというときに備えてエレベーターを使わず、人力で車いすユーザーを運ぶ訓練を行った。

「5階の給湯室で火災が発生しました」。

警報器が鳴った後、センターのスタッフは各自の配置に移動し、競技団体スタッフの避難を誘導。2つあるうちのひとつの階段を車いすユーザー専用の避難経路とし、他フロアにいる人の力も借りながら、1人の車いすユーザーに対して4人で持ち上げ、4階から1階に移動した。このとき、車いすユーザーが転倒しないように水平を保つことがポイントとなる。「大丈夫ですか?」「少し前に傾いています」などと声をかけ合いながら、ゆっくりと下った。

その後、共同オフィスのユニバーサルデザインを担当した株式会社ミライロによる講習会を実施。日本財団ビル内12団体の約200人が車いすユーザーを持ち上げて運ぶレクチャーを受けた。講師を務めた、車いすユーザーの藤田隆永氏が、「声がけをしっかり行うことで、サポートされる側は安心する。『水平ですか?』と声をかけてもらえれば、『傾いている』なども言いやすい。とにかくコミュニケーションが大事」と話し、参加者は熱心に耳を傾けた。

各グループに分かれ、4人がかりで車いすユーザーを移動させる体験では、「階段を下りるときは後ろ向き、上るときは前向き」というそれぞれのパターンを行った。「持ち上げる前にブレーキがかかっているか確認する」「タイヤを持つのではなく、ハンドグリップやアームレストを持って運ぶ」という注意点も確認した。

2~4人で車いすユーザーを持ち上げる
同ビルで働く約200人が講習に参加した

参加した女性は「車いすの重みを感じた。見ず知らずの4人が力を合わせて運ぶので、声がけが大事になるが、いかに自分の意識が足りていないか知ることができた」と話した。

2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会でも、災害や緊急時における避難計画や訓練などの対策が求められており、今回の訓練もその一環としての実施だ。

今後、パラサポは車いすユーザーだけでなくその他の障がいのある人の避難を行うなど、さまざまな状況を想定した訓練を行うつもりだ。

text by Asuka Senaga
photo by Parasapo

『[日本財団ビル 自営消防総合訓練] 車いすユーザーの搬送を含む災害時の避難訓練を実施』