世界王者を下してパリ2024パラリンピック切符獲得! 車いすラグビー日本代表12人コメント

世界王者を下してパリ2024パラリンピック切符獲得! 車いすラグビー日本代表12人コメント
2023.07.03.MON 公開

パリ2024パラリンピック予選を兼ねた「三井不動産 2023 ワールド車いすラグビー アジア・オセアニア チャンピオンシップ」。2日、東京体育館で行われた決勝は、東京2020パラリンピック銅メダルの日本代表と世界選手権覇者のオーストラリアがパリパラリンピックの出場権「1」枠を争い、激突した。

日本代表にとってオーストラリアは世界のトップでしのぎを削ってきたライバル。「(無観客開催だった)東京パラリンピックで欲しかった声援」(池透暢キャプテン)を背に、アグレッシブな日本のラグビーを完遂した。

試合は、第1ピリオドで池がパスカットしてリードを奪うと、そのままたたみかけて第1ピリオド終了時16対12と突き放す。その後も選手たちの集中力は途切れることなく、東京パラリンピック、昨年の世界選手権(デンマーク/3位)からの精神的な成長を見せつけた。
今大会で退任するケビン・オアーヘッドコーチ(HC)のラストマッチでもあった。目まぐるしくメンバーチェンジする巧みな采配のもと、次世代エースとして期待される21歳の橋本勝也もチームの柱として躍動した。
第4ピリオドには相手エースを引きずり下ろし、55対44で快勝。全員がコートに出場した日本代表は、団体競技として日本勢第1号のパリパラリンピック出場を決めた。

12人の選手とケビン・オアーHCのコメントは以下の通り。

【#21】池透暢 ※キャプテン

【#21】池透暢(3.0)

「溢れる闘志を押し殺しながら、冷静にオーストラリアを封じ込めていくっていうプレーがチーム全体でできていて、ラグビーをしながら本当に楽しいなと思いながら戦うことができました。おそらく今日の試合を世界中の強豪国も見ていると思うので、そういった対策もまた始まると思います。そういう対策を受けて、また自分たちは変化をしなければいけないし、どういう国と対戦しても、全員がその状況に対応できる判断力と協力とコミュニケーションをもって、強さの厚みを備えて、パリに向かっていきたいなと思います」

【#4】羽賀理之 ※副キャプテン

【#4】羽賀理之(2.0)

「試合前、ケビンから『俺たちは世界一のチームだと思うか』という問いがあり、東京パラリンピックのときも 世界選手権のときも同じことを問われて、なかなかすっと手が挙がらなかった。今日はその問いに対して、みんなすっと手が挙がった。それを見たケビンが感動していました。(いまの日本代表は)言葉の通り、世界一のチームだし、 世界一の試合ができたかなと思います。それがパリの切符を手にしたのと同じくらい嬉しかったです」

【#32】橋本勝也

【#32】橋本勝也(3.5)

「すごくほっとしています。またケビンとの最後の大会ということで、みんな気合が入っていたなか、日本のラグビーで勝ち切ることができてすごくよかったのかなと思います。ケビンが退任しても、いままで教わったことをベースに、よりよい日本チームを作っていけるよう、選手一丸となって頑張っていきたいです」

【#13】島川慎一

【#13】島川慎一(3.0)

「まずはほっとしています。(日本が優勝した)2018年の世界選手権の後にもインタビューで言っているんですけど、『どちらが勝つかわからない試合ではなく、しっかり日本が強いという、強さを見せつける試合を決勝でやりたい』と。そういう試合が今回できたと思います。
この結果に満足せず、しっかりあと1年かけてケビンがいままで教えてくれたことをベースに僕らも進化していきたいです」

【#7】池崎大輔

【#7】池崎大輔(3.0)

「自国開催ということで、たくさんの人の前で車いすラグビーの魅力を伝えられたことがすごく嬉しいです。今回でケビンHCは退任しますが、(日本代表は)パリに向けてスタート地点に立った。これからは築き上げてきたものに自分たちの色をプラスして次に向かいたいと思います」

【#14】中町俊耶

【#14】中町俊耶(2.0)

「今年最大の目標でもあったこの大会で、しっかりとパリの出場権を獲れたことに対して本当にほっとしています。また、ケビンに会い、ラグビーに対する価値観を変えてもらって、世界で戦いたいと思わせてくれた。そんな存在であるケビンが退任した後も、新体制のJAPANでその気持ちは持ち続けて世界で活躍する選手に成長していきたいと思います」

【#22】乗松聖矢

【#22】乗松聖矢(1.5)

「このメンバーとスタッフと一丸となって戦えたことがすごく嬉しいです。結果もよかったんですけど、ケビンがいままで自分たちにずっと口を酸っぱく教えてくれたことを表現できたこと、それをたくさんの方に見てもらえたことがすごい嬉しい。また来年パリに向けて頑張りたいなと思います」

【#1】若山英史

【#1】若山英史(1.0)

「最高のチームメートがいて、最高のHCがいて、最高のチームスタッフがいて、会場の雰囲気も最高でした。ただ、ここで満足することなく、さらにレベルを上げて自分たちを最高の状態に持っていくことができると思う。さらに上を目指します」

【#9】今井友明

【#9】今井友明(1.0)

「最高です! たくさんの観客のみなさんがいるなかで、優勝という形で終えられたのがすごく嬉しいです。ケビンとの最後の大会になるというところでみんなの気持ちもひとつにまとまっていました。
ケビンからもらった言葉で、『ケビンが卒業』ではなくて、『自分たちがさらに高いところに飛び立って行く』というところで、僕たちはこれをケビンに手土産として渡し、またさらに高い目標に向かって進んでいきたいなと思っています」

【#23】小川仁士

【#23】小川仁士(1.0)

「大勢の観客がいるなかでの大会で優勝できたことは日本のラグビーとして大きな一歩。ケビンが指揮する最後の大会でしっかり優勝し、パリへの切符を手にできたのはすごく嬉しい。パリパラリンピックでもケビンに教わったラグビーを継続し、さらに強くなった日本のラグビーを見せたいです」

【#2】長谷川勇基

【#2】長谷川勇基(0.5)

「(優勝してパリパラリンピック出場権を獲得でき)とりあえず、いまはほっとしています。明日からまた(練習で)積み重ねていこうと思います。今日はしっかり寝て明日からまた頑張ります」

【#3】倉橋香衣

【#3】倉橋香衣(0.5F)

「この大会で優勝でき、こうしてパリの切符を手に入れることができた。目標にしていたことがちゃんと達成できたことはすごいよかったなって思います。ケビンと最後の試合で、最初から最後まで楽しく笑顔で試合を終えられたことが、すごくよかったです」

ケビン・オアーHC

ケビン・オアーHC

「金メダルは獲れませんでしたが、金メダルを獲るチームを作ることはできました。日本代表が成長した姿をテレビなどで見るのを楽しみにしています」

text by Asuka Senaga
photo by X-1

『世界王者を下してパリ2024パラリンピック切符獲得! 車いすラグビー日本代表12人コメント』