ミラノ・コルティナ2026パラ閉会式でそれぞれの胸に刻んだイタリアのお土産

ミラノ・コルティナ2026パラ閉会式でそれぞれの胸に刻んだイタリアのお土産
2026.03.16.MON 公開

ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会の閉会式が現地3月15日、車いすカーリングが行われたコルティナ・カーリング・オリンピックスタジアムで行われた。ここは、1956年に実施された冬季オリンピックの開会式に使用された場所でもある。

ティナとミロに続き、旗手が笑顔で入場

閉会式のコンセプトは、「Italian Souvenir(イタリアのお土産)」。「すべての大会関係者に閉会式をかけがえのない思い出として持ち帰ってほしい」との思いが込められたという。

ステージでは全編にわたり、光を使った演出が印象的だった。まず、世界的サーカス団「シルク・ドゥ・ソレイユ」の松葉づえのパフォーマーが登場。続いて、さまざまな色がランダムに光るロープを使ったパフォーマンスが披露された。そして、イタリアのパラリンピアンとともにイタリアの国旗が入場し、国旗掲揚と国家斉唱が行われた。

観客席で国旗を振る日本代表選手団
photo by AFLO SPORT

次に、ミラノ・コルティナ2026オリンピックのマスコット「ティナ」とパラリンピックのマスコット「ミロ」が軽快なステップを踏みながら登場し、各国の国旗と旗手が入場。日本代表選手団の旗手は、パラスノーボード小須田潤太と、車いすカーリング小川亜希。どちらも満面の笑みで、小川の車いすにポールを差した国旗を小須田が大きく広げながら行進した。

小川は、「日本選手団の代表として日の丸を掲げて歩かせて頂きながら、このチームJAPANの皆さんとともにこの大会を戦えたこと本当にうれしく思っています。毎日みなさんの熱い真剣な姿に感動し刺激を受け、自身の力となったり、温かい声かけにより、最後まで諦めずに戦うことができました」と振り返った。

閉会式には、2つの銀メダルに輝いたパラアルペンスキー村岡桃佳、バンクドスラロームで銀メダルを獲得したパラスノーボードの小栗大地、男子回転で銅メダルを手にしたパラアルペンスキーの鈴木猛史も出席した。

日本代表選手団のメダリストも参加
photo by AFLO SPORT

イタリアらしいお土産とは?

「イタリアのお土産」をイメージさせる演出も随所にちりばめられた。その一つが、旅の思い出を伝える絵はがきだ。ステージに浮かび上がったコルティナの街の絵に、雪の精のようなパフォーマーたちが雪の結晶とともにゆっくりと舞い降りると、「Ciao Ciao Cortina!」との文字が浮き上がり、絵はがきが完成。同時に、いよいよミラノ・コルティナ大会の別れのときが来たことが示され、フラッグハンドオーバーセレモニーへ。2030年の冬季パラリンピック開催国であるフランスにパラリンピック旗が渡された。

閉幕に当たり、ミラノ・コルティナ2026大会組織委員会のジョバンニ・マラゴ会長は、以下のように語りかけた。

「年齢、状況、国籍の違いを超えて我々を結びつける一つの言葉がある。それは希望。スポーツの価値が人類のよりよい未来をもたらすという希望。残虐性と破壊の光景を前に、我々は公平な競技を披露し、連帯を築き、新たな地平線を切り開いた。ビバ スポーツ! ビバ イタリア! ビバ ミラノ・コルティナ2026!」

また、IPC(国際パラリンピック委員会)のアンドリュー・パーソンズ会長はこう続けた。

「過去最多の選手が世界に知らしめた。能力を決めるのは制約ではなく、強い意志と勇気、そして卓越性の追求だと。変革はスポーツから始まる。人々はいま、(障がいではなく)能力を見ている。これがパラリンピック・ムーブメントの真のレガシーだ。このレガシーはどんな聖火よりも明るく遠くまで輝く。グラッツィエ・ミッレ!」

ジョバンニ・マラゴ会長(左)とIPCのアンドリュー・パーソンズ会長
photo by REUTERS/AFLO

クライマックスを飾るステージでは、お土産の定番であるスノードームが登場。ミラノとコルティナの街の模型が入った巨大なスノードームを中心に、聖火を思わせるオレンジ色の丸いライトを持ったダンサーたちが舞う。小さな聖火を吹き消すと、ミラノとコルティナで燃え続けていた聖火台の聖火も消され、閉幕した。

ミラノとコルティナのオブジェ
photo by REUTERS/AFLO

日本代表選手団が一つの大会で全競技に出場するのは今大会が初めて。銀メダル3個、銅メダル1個という結果を踏まえ、大日方邦子団長は「全ての選手が力を尽くしました。選手一人ひとりが積み重ねてきた努力が、日本の皆さまに届いていたらうれしく思います。多くの応援に心より感謝申し上げます」とコメントした。

チームの結束力が強く、互いに高め合うとともに、結果を喜び合う姿も印象的だった今大会の日本代表選手団。個人競技であっても、日本代表というチームの一員であるという意識のもとに結束できる競技は強い。その意味でも、次大会以降の日本の活躍に期待を抱かせる大会となったと言えるだろう。それこそが今回、日本代表選手団が手にした「イタリアのお土産」だったのかもしれない。

text by TEAM A
key visual by AP/AFLO

『ミラノ・コルティナ2026パラ閉会式でそれぞれの胸に刻んだイタリアのお土産』