[大学スポーツ新聞部×競技団体]学生目線で競技の魅力を積極発信! 広報インターン派遣事業の表彰式を開催

2017.03.17.FRI 公開

日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は「広報インターン学生コンテスト」を開催。3月15日、競技団体の広報担当者や実際に記事を執筆・撮影した学生が集まり、その表彰を行った。

19の競技団体、123人の記者が参加

学生記者が競技団体の広報を支援する、広報インターン派遣事業は、昨年5月にスタート。パラリンピック競技団体の活動基盤強化を目的とし、人材不足などにより十分な情報発信ができない現状を改善すべく、大学新聞部の若い力によって各団体の広報活動をサポートするもの。

事業には10の大学新聞部が参加しており、スタート時に12の競技団体・61人だった参加者も、現在は19の競技団体・123人に増加。広報業務の担い手となるだけでなく、学生目線でパラリンピック競技の魅力を発信することで、若い世代にも少しずつファン層を広げている。

1位は、早稲田スポーツの盲人マラソンチーム!

各団体のホームページに掲載されている記事は、パラサポの公式Facebookページでもシェア。今回の「広報インターン学生コンテスト」は、2016年度に作成された70の記事の中から、その「いいね!」数の多い順に1位から3位を決定。また、印象に残る活動をしたチームに対し、特別賞を贈った。

表彰式では、パラサポ推進戦略部ディレクターの本山勝寛が「現在は、広報インターンの皆さんが、情報発信の重要な役割を果たしてくれている。これからも若い感性でより共感を生む記事を生み出してほしい」と話し、感謝の意を述べた。

1位に輝いた早稲田スポーツの平野記者(左)

続いて表彰式へ。まず、1位に輝いた早稲田スポーツの盲人マラソンチームが登壇し、平野紘揮記者がスピーチ。「この一年間、実際に選手の方々と触れ合う中で、障がいがあるとかないとかは関係ない、ひとつの個性だと考えるようになった。そういう意味で、パラ競技を普通のレベルにもっていかなきゃいけないし、パラ競技と普通の競技に知名度の差はあってはならない。それを埋めるのが我々。来年度も皆さんと一緒に盛り上げていきたい」と熱っぽく語った。

該当記事は、リオパラリンピックに出場した道下美里選手を取り上げたもので、ようやく出場が叶ったパラリンピックへの想いやレースへの意気込みを語ったインタビューで、選手自身の人柄がにじみ出た文章となっている。さらに、日本盲人マラソン協会による笑顔の写真も、多くの読者の関心を引いた。

2位は筑波新聞・筑波スポーツのパラトライアスロンチーム。リオパラリンピックから新競技となったパラトライアスロンのプレビュー記事で、パラスポーツ特有のクラス分けを解説した。表彰式に出席した、日本トライアスロン連合の富川理充さんは「選手、スタッフとも覚悟を持ってやっている。わかりやすさも大事だが、競技スポーツの厳しさも取り上げ、ぜひ広めてほしい」と、期待を込めて語った。

なお、3位はスポーツ法政の視覚障害者柔道チームだった。

さまざまな角度から競技の魅力を発信

特別賞は、慶應スポーツの車いすフェンシングチームに。清野日奈子さんは、「協会の方がいろいろなイベントを紹介してくれたり、アイデアをくださったりしたおかげ」と活動を振り返った。同チームは、大学OBの選手や取材者への逆取材など、さまざまな角度からパラスポーツを切り取った。

表彰式の後は、交流会が設けられ、競技団体の担当者同士による意見交換などが行われていた。また、この日は、これから取材をスタートさせる日体大スポーツ編集局の記者も参加。他のチームの活動に刺激を受けたようで「Facebookなど媒体の特性を知ったり、短い文章で表現したり、読みやすい記事制作を心がけたい」「パラスポーツでは、種目の説明も書かなければならないが、まだまだ知識が足りないと感じた」と話していた。

昨年はリオパラリンピックがあり、国内でもパラスポーツへの関心は高まっているが、まだまだ国内の試合に足を運ぶファンは少ない。2020年東京大会の成功に向けて、若い世代を含むパラスポーツファンを増やすべく、継続的な情報発信が求められている。

競技団体との連携が光った慶應スポーツ
多くのいいね!を獲得したパラトライアスロンチーム

text&photo by Parasapo

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