生涯ゴールデンスラム、世界新記録、パラリンピック出場権獲得……パラスポーツのニュースで2025年を振り返る!

いろいろあった2025年。ロサンゼルスで行われる2028年の夏季パラリンピックを見据えた始動の年であり、2026年のミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピック競技大会の順位を占う上でも重要な年になった。今年のパラスポーツニュースを現場で目撃したジャーナリストと編集部のコメントとともに振り返る!
<1月>
・「2025FISパラ・ノルディックスキーアジアカップ札幌大会」開催。
川除選手は物静かに見えますが、芯が強く、そのギャップが魅力です。厳しい練習中も景色に感動すると聞き驚きました!(パラサポ・針山)
<3月>
・「東京マラソン2025」開催。
・クロスカントリースキーの川除大輝が3年連続でワールドカップ総合優勝!
・パラスノーボードの世界選手権(カナダ)、バンクドスラローム(LL1)で小須田潤太が日本選手初の金メダルを獲得!
・世界車いすミックスダブルスカーリング選手権2025(イギリス)で日本代表(中島洋治、小川亜希)が優勝し、ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピック競技大会の出場権を獲得。
<4月>
・「パラ水泳ワールドシリーズ富士・静岡2025」開催。山口尚秀が男子100m平泳ぎ(SB14)で自身の世界記録を更新して優勝。
・男子カテゴリーの「IBSA ブラインドサッカーエリートカップ 2025 in うめきた」、女子カテゴリーの「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2025 in うめきた」開催。
<5月>
・「ワールドトライアスロンパラシリーズ (2025/横浜)」開催。
<6月>
・改正スポーツ基本法が成立。共生社会の実現に向け、障がいの有無などにかかわらずスポーツに親しめる環境の整備を謳っている。
<7月>
・日本障害者スキー連盟がミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピック競技大会の内定選手15人を発表。坂下恵里は日本女子初のスノーボード代表候補に。
<9月>
・車いすテニスの小田凱人が全米を制し、史上最年少で「生涯ゴールデンスラム」達成。
コートに背から倒れると、観客から沸く驚嘆と祝福の歓声! 誰もが初めて目撃した歴史的瞬間でした。(ライター・内田暁)
・卓球の「ITTF World Para Future Tokyo 2025」開催。
・「シンガポール2025WPS世界選手権大会」男子100m平泳ぎで今年2度世界記録を更新している山口尚秀が4連覇を達成。
100m平泳ぎを制した瞬間に出る表情は、2年に一度の世界選手権ならではかもしれません!(フォトグラファー・越智貴雄)
<9月~10月>
・「ニューデリー2025世界パラ陸上競技選手権」は、男子100m(T13)で川上秀太が金メダル。佐藤友祈(T52)が2冠、唐澤剣也が5000m(T11)で優勝。
開催国のインドは、投てきと跳躍種目の強豪。客席が盛り上がる中、在インド日本人はもちろん日本を応援!(フォトグラファー・小川和行)
<10月>
・スポーツ庁長官にパラリンピアンの河合純一氏が就任。
・「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」開催。
<11月>
・日本初開催のデフリンピック、日本勢がメダルラッシュ。
・アイスホッケー日本代表は、ミラノ・コルティナ2026冬季パラリンピック競技大会の最終予選で首位となり、2大会ぶりのパラリンピック出場を決めた。
ここぞという場面で勝ち切った! 深夜に頑張って起きてライブ観戦したのもいい思い出になりました。(パラサポ・後藤)
・「Japanパラバドミントン国際大会」開催。
2025年は、陸上競技のメダリスト・辻沙絵が引退、バドミントンの元世界女王・豊田まみ子が日本代表引退を発表するなど、東京2020パラリンピックの顔となった選手たちが第一線を退いた。
今年の顔が多く出演するNHK「紅白歌合戦」には、車いすテニスの小田がゲスト審査員として出演予定。
冬季パラリンピックイヤーである2026年は、どんな年になるのだろうか。多くの選手が活躍する1年になってほしい。
text by Asuka Senaga
key visual by Takao Ochi,AP/AFLO