東京から2年、パリまで1年! 稲垣・草彅・香取の3人がパラアスリートにエール

東京から2年、パリまで1年! 稲垣・草彅・香取の3人がパラアスリートにエール
2023.08.28.MON 公開

東京2020パラリンピックの開幕から2年が経った8月24日、東京都庁の周辺で「TOKYOパラスポーツFORWARD」が開催され、パラアスリートによる競技デモンストレーションなどが行われた。イベントの最後を飾るスペシャルステージには、「新しい地図」の稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんも登壇。ゲストに車いすテニス小田凱人選手、陸上競技(車いす)の佐藤友祈選手を迎え、トークと歌で選手たちに熱い応援メッセージを届けた。

「あれ? 去年じゃなかったの?」

日本財団パラスポーツサポートセンターのスペシャルサポーターとしてパラアスリートを応援し続けている、新しい地図の3人。東京パラリンピックの記憶があまりに鮮明なのか、稲垣さんは楽屋で「あれ? 去年じゃなかったの?」とまわりに確認していたことを草彅さんに暴露され、「言わないで、いま」と釘を刺していたが、実は草彅さんも同じ実感を持っていたようだ。

文字通り、あっという間の2年間だったが、大会を機に自分たちの内面にも変化があったと明かす。

会場に駆けつけた(写真左から)稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん

「実際に生でパラスポーツ選手の熱い戦いを見て、その楽しさとか感動とか改めて実感したので、これをまた一人でも多くの方に伝えていきたいという、より強い気持ちになりました」と稲垣さん。

パラアスリートから力をもらったという草彅さんは、「自分も、心も身体も元気に鍛えていかなきゃいけないと思って、今日ここにいます」と、心身ともに充実している様子。

香取さんは、大会が無観客開催だったこともあって、「もっと会場で選手を近くで見たいな」という思いがさらに強くなっているのだとか。約1年後には、パリ2024パラリンピックが開催されるが、「選手たちが観客の前で見せるパフォーマンスに超期待しています」と、いまからワクワクしているようだ。

実はパリは3人で訪れたことのある、思い出の地なのだとか。特別な思いを抱きながらパリパラリンピックを迎えることになりそうだ。

車いすテニスを始めたきっかけはレジェンドがパラリンピックでプレーする姿

新しい地図の3人に続いて、ゲストアスリートの小田選手が登壇。7月のウィンブルドン選手権車いすの部男子シングルスで優勝したばかりの小田選手。新しい地図の3人を前に「緊張してます」と言いつつも堂々とした様子はさすがだ。

実は、車いすテニスを体験したことがあるという3人。稲垣さんは中学時代にテニス部だったというが、スポーツ刈りにするのが嫌でわずか一週間でやめたという。そのためか、ほかの2人は知らなかったようで、「ええっ!?」「運動やってたの?」と声が飛び交う。

現在、車いすテニス世界ランキング1位の小田凱人。パリでの金メダル獲得が期待される17歳だ

車いすテニス体験の際は、「その一週間の経験でなんとかうまくできるかなと思った」という稲垣さん。しかし、車いすのコントロールに苦労したそうで、「たまたま当たって返せたときは本当に気持ちよかった」と振り返る。一方、草彅さんも、日頃運動しているにもかかわらず、普段とは違う筋肉を使ったせいか、体験後1週間ほど筋肉痛だったと明かした。

その車いすテニスと入院中に出会い、すぐにはまったという小田選手。車いすテニスを初めて観たのは、パラリンピックでプレーする国枝慎吾の姿だった。先のことを考えないタイプで、来年まで大きな大会がいくつも控えていることから、パラリンピックはまだあまり意識していないというものの、いざ次の大会がパラリンピック、となったら「楽しみ過ぎて寝られるか心配」なぐらい楽しみな舞台であり、そこで勝ちたいという強い思いを持っている、と語った。

レース中は無心か、いろいろ考えているのか

続いて登壇したのは、東京パラリンピックの陸上競技(車いす)、400mと1500m(T52)で2つの金メダルを獲得した佐藤選手。すでに大舞台で結果を残しているパラリンピックの“先輩”に向けて、小田選手が「すごい聞きたいことが」と切り出す。

「テニスは1ポイントずつ状況が違う。(でも)陸上って常に同じことを何分間か行う。何を考えて走っているのかなっていう。無心なのか、細かいタッチとか出方とかを考えているのか」

東京パラリンピックで2つの金メダルを獲得した佐藤友祈

佐藤選手によると、「基本的にレース中は無心で、しっかりとゾーンに入っていくように毎回ルーティンを決めて」いるとのこと。一方、普段の練習では、どのあたりでタイヤをつかみ離すのかといったことをウォーミングアップでイメージをつくりながら練習メニューに入っていくのだそう。

同じ車いす競技でありながら、相手との駆け引きが多いテニスとは特性が大きく異なるため、小田選手は「あまり感じたことがない感覚で、結構新鮮」と、陸上競技に関心を深めたようだ。

佐藤選手は7月に行われたパリ2023世界パラ陸上競技選手権大会で、自身が持っていた400mの世界記録を約1秒、ベルギーの選手に抜かれたばかり。それを踏まえて、パリ大会では、「自分が持っていた世界記録を(更新された記録よりも)さらに1秒縮めた状態で世界記録を奪い返して、金メダルを獲って、日本に戻ってきて、また皆さんにご報告できるようにしたい」と力強く語った。

香取さんと佐藤は、普段からSNSなどで交流。香取さんの応援は佐藤の力にもなっている

パリ行きが決定!?

スペシャルステージの最終盤で、ビデオメッセージを寄せた車いすテニスのレジェンド・国枝慎吾さんから「ダブル慎吾としてですね、パリに一緒に応援にいきましょう」と呼びかけられ、佐藤選手からも熱烈な応援要請を受けた新しい地図の3人。稲垣さんは「いいですか、僕ら行っても」、続けて草彅さんも「パリジャンになりたい」とコメントした。

パラスポーツ応援チャリティーソング『雨あがりのステップ』を熱唱し、ステージをさらに盛り上げた後、「パリに僕らが行く、これは絶対だ!」と、香取さんが力強く締めくくった。

『雨あがりのステップ』を熱唱する新しい地図の3人

本当に3人のパリ行きが実現すれば、選手たちにとって力強い味方になるのは間違いない。
パリまであと1年、東京大会の興奮を思い出しつつ、次の大会への期待がおのずと高まる、満足度の高い時間となった。

スリーアギトスカラーにライトアップされた都庁第一本庁舎

text by TEAM A
photo by Atsushi Mihara

『東京から2年、パリまで1年! 稲垣・草彅・香取の3人がパラアスリートにエール』