ボッチャ世界選手権で過去最高の銀メダル! 日本代表が帰国会見

ボッチャ世界選手権で過去最高の銀メダル! 日本代表が帰国会見
2018.08.21.TUE 公開

4年に一度の世界選手権を終えたボッチャ日本代表”火ノ玉ジャパン”が20日、イギリスのリヴァプールから帰国した。エースの杉村英孝や20歳の注目選手・中村拓海らが出場したチーム戦(BC1-2)では、世界選手権で初めてとなる銀メダルを獲得。2年後の8月25日に開幕する東京2020パラリンピックに向けて、大きな自信を手にした選手たちのコメントを紹介する。

チーム(BC1-2)が過去最高の銀メダル

東京パラリンピック金メダルを目標に掲げるチーム(BC1-2)が、パラリンピックと並ぶ重要な大会で好成績を残した。18日に行われた決勝で強敵タイに4-5で敗れたものの、過去最高の銀メダルを手にし、銀メダルだったリオパラリンピックに続く快挙を達成した。

エース杉村は個人戦(BC2)でもメダル獲得

キャプテンの杉村英孝は、個人戦(BC2)で銅メダルを獲得。2個のメダルを胸にし、空港職員や関係者からねぎらいの言葉をかけられて笑顔を見せた。

個人戦でも結果を出したキャプテンの杉村(右)ともうひとりのエース廣瀬(左)

以下、選手のコメント。

杉村英孝のコメント
「東京大会に向けて重要な大会と位置付けていたので、チーム、個人ともにメダルを獲ることができてよかった。個人としては3ヵ月前のモントリオールオープンでふがいない結果に終わり、試合の中での修正能力や(他の球を押しながらも自分の球を残す)プッシュの技術を磨いてきた。やってきたことを出せたことがメダルにつながった」
廣瀬隆喜のコメント
「今回の世界選手権は、2020年の東京パラリンピックに向けての大きな大会のひとつ。金メダルは獲れなかったが、ここでチーム一丸となって銀メダルを獲ることができて本当によかった。しかし、金を獲れなかったということは課題があるということ。次は確実にいい色のメダルが獲れるように、チーム皆で課題を一つひとつクリアにしていきたい」
藤井友里子のコメント
「チームで最後まであきらめずに戦えてよかった。課題が見えたのでこれからも精一杯やっていきたい。(優勝したタイとの実力差について)リオパラリンピック後、日本チームはよくなっていっていて、チームとしての差は縮まっている。あとはミスの有無だと思うので、個々の投球の技術を上げていきたい」
中村拓海のコメント
「たくさんの方にサポートいただき、銀メダルの結果だった。メダルは嬉しいが、100パーセントの力を出し切れなかったし、頂点を獲りたかった。これまではキャプテンからの指示をそのままやるだけだったが、今はわからないことも聞いたり考えたりするようになった。東京で金メダルを獲るために、今回の自信を次につなげたい」
(後列左から)河合監督、村上コーチ(前列左から)藤井、中村、廣瀬、杉村

リオパラリンピックに続いてチームを指揮した村上光輝コーチは、こう話す。

「私たちが目指すのは東京の金メダル。今回はその東京の一つ前の大きな大会ということで、どこまで通用するかをテーマとして臨んだ。とくにチーム戦は、韓国、中国、タイといった強豪国と対戦する苦しい組み合わせだった。今まで奇襲をかけたりして戦っていたが、今回は正攻法で堂々とぶつかっていった。そんななか2位になることができて目標は達成できた。また、決勝ではタイに負けたが、気合いを入れすぎず『ふつうにやる』をテーマにしたなかで善戦でき、選手たちの自信になったと思う」

世界の壁を崩せなかったBC3、BC4クラスの今後に期待

続いて、河合俊次監督は全体を総括し「4年に一度のレベルの高い試合の中でメダルを獲得できた。チームは、タイ以外に負けておらず、またタイにも差を詰めてきているので、これまで培ってきた強化プランを続けていき、東京でいい結果を出せたらと思う」としつつ、「BC3とBC4では、思うような結果が出せなかった。残り2年、今大会の収穫と課題を踏まえて強化を図っていく」と話した。

高校3年生で世界選手権に出場した江崎駿(BC4)は「予選プールで負けてしまい、悔しい気持ちが残る。新たな課題も見つかったので、練習を重ねて、次は絶対に決勝に進みたい」と前を向いた。

10月にはインドネシア・ジャカルタでアジアパラ競技大会が行われる。まだ日本代表は決まっていないが、「アジアは強いので、自分の力を試せるいい機会。代表選手に選ばれてタイと対戦できたら、世界選手権の悔しさをぶつけたい」と、キャプテンの杉村は意気込んでいる。

text & photo by Asuka Senaga

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