パラリンピックを盛り上げるのはオコジョ!? ミラノ・コルティナのマスコットを深掘り!

パラリンピックを盛り上げるのはオコジョ!? ミラノ・コルティナのマスコットを深掘り!
2025.10.15.WED 公開

開催が迫りつつあるミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会。大会を彩るマスコットも盛り上げに一役買っている。どんなマスコットか、早速見てみよう。

イタチの仲間・オコジョの「ミロ」

ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会のマスコットは、「ミロ」という名の茶色のオコジョだ。オコジョはイタチの仲間。イタチ科の中でも後ろ足が長めで、跳躍力にすぐれているあたりがスポーツの祭典のマスコットにぴったり。世界各地から開催地を訪れるアスリートやファンを歓迎する“イタリアの精神”を体現しているという。

ミラノ・コルティナ2026パラリンピック冬季競技大会のマスコット「ミロ」
picture by Milano Cortina 2026

オコジョは、パラリンピックとオリンピックのどちらにも使われているが、毛の色が異なるきょうだい(姉弟)という設定だ。パラリンピックのマスコットである、茶色の毛のミロ(Milo)は弟。対して、白の方は「ティナ(Tina)」という名の姉で、オリンピックのマスコット。それぞれの名前は、大会の開催地である2つの都市にちなみ、ミロ(Milo)はミラノ(Milano)から、ティナ(Tina)はコルティナ(Cortina)から名づけられた。どちらも好奇心旺盛で、季節に合わせて毛色を変え、山岳地帯のような過酷な環境にも順応する強さを持っているそう。

きょうだいの毛の色が違うことにも意味があるという。そもそもオコジョは夏は茶色、冬は白と、季節に合わせて毛の色を変える動物。ティナとミロはどちらも冬の大会のマスコットで、季節を表しているわけではない。しかし、異なる毛の色を並べることで、山は冬だけではなく一年を通して守り、体験し、高めるべき存在であることを表しているという。また、多様性や協力し合うことの大切さも意味しているそうだ。

ミロは生まれたときから、右後ろ足がない。歩くときは尻尾を使い、「障がいも向き合い方しだいで“スーパー・トランポリン”になる」という信念を持っている。「作ること、直すこと、組み立てること、分解すること、発明すること」など工作が得意で、森の木を使って、工芸品や、演奏が得意なティナのために楽器も作るそう。雪遊びも大好きで、走ったり、跳ねたり、木登りをしたりと、外で元気いっぱいに動き回っているのだとか。性格は優しく親切、人当たりがよく忍耐強いタイプ。競争心も強いが、負け方も知っているのだとか。唯一、我慢できないのは、誰かが山を酷使することだそうだ。

ミロは生まれたときから後ろ足が1本。よく見ると、尻尾を右後ろ足のように使っている
photo by TEAM A

小さな仲間「フロー」とともに

ミロたちには、長野オリンピックの「スノーレッツ」のような小さな仲間もいる。6つの小さなスノードロップ「フロー(The Flo)」だ。フローの性格は、おしゃべり、スポーツマン、思慮深い、騒々しい、少しシャイ……とさまざま。山に住んでいて、一番元気な季節は春と夏。旅行や遊び、新しい発見、そして友だち作りが大好きで、春と夏に必要なエネルギーを蓄えるため、冬は雪の下で休息しているという。

ティナ&ミロ、そしてフローには、物語がある。ある日、目を覚ましたきょうだいは、遠くに「新しい光」を見つけ、好奇心に導かれるように光を追いかけて旅に出る。その旅の途中で出会い、親友となって同行することになったのがフローだ。やがてティナ&ミロとフローは、追いかけていた光がオリンピック・パラリンピックのものだと知るそうだ。冬はいつも休んでいるフローたちも、2026年はティナ&ミロと一緒に活発に活動するということだろう。

ミラノの街に飾られたティナ&ミロのオブジェ
photo by REUTERS/AFLO

実在の動物や冬の象徴がマスコットに

パラリンピックでマスコットが初めて登場したのは、1980年アーネムパラリンピック。モチーフは2匹のリスというあたりが、今大会のティナ&ミロを彷彿とさせる。実在の動物をモチーフにしたものとしては、北京2008パラリンピックの牛「フーニウララ」、平昌2018冬季パラリンピックのツキノワグマ「バンダビ」が記憶に新しい。

今大会のフローのように、冬に関連するものをかたどったマスコットとしては、インスブルック1964冬季オリンピックの「シュネーマンドル」があり、雪だるまだった。また、フィギュアスケートの荒川静香が金メダルを獲ったトリノ2006冬季オリンピックのマスコットは、「ネーベとグリッツ」という雪玉と氷の塊で、冬季競技を擬人化したものだった。

それぞれの地域や都市の歴史や特徴、季節を踏まえた独自のマスコットとそのグッズは、その大会の思い出をより深いものにしてくれるはず。すでに大会公式WEBサイトでぬいぐるみや帽子、マグカップといったオリジナルグッズが販売を開始している。大会前に準備しておくと、観戦モードが高まって本番がより一層楽しめそうだ。

※本記事はolympics.comなどを参考にしています。

text by TEAM A
key visual by Milano Cortina 2026

『パラリンピックを盛り上げるのはオコジョ!? ミラノ・コルティナのマスコットを深掘り!』

パラリンピックを盛り上げるのはオコジョ!? ミラノ・コルティナのマスコットを深掘り!