2016.07.13

【5人制サッカー】[ブラインドサッカー日本選手権]3000人超が来場した日本一決定戦。Avanzareつくばが4連覇達成

7月9日、10日の2日間の日程で第15回 アクサブレイブカップブラインドサッカー日本選手権が、アミノバイタルフィールド(東京都調布市)で行われた。全国から過去最多となる15チームが参加し、Avanzareつくばが大会4連覇を果たした。

連覇を決めた! 田村の2ゴール


エース田村が先制弾

決勝は、日本代表チームでも活躍する川村怜、佐々木ロベルト泉らが所属するAvanzareつくばと、同じく日本代表の落合啓士が所属するbuen cambio yokohamaの対戦となった。

試合は開始から立て続けにAvanzareつくばが攻める。田村友一がドリブルから果敢にシュートに持ち込むが、buen cambio yokohamaも晴眼プレーヤー阿部良平を中心とした、体を張った守りで立ちはだかる。


先制点が生まれたのは前半5分。ゴール前の混戦から最後は田村が右足で押し込みキーパーの股を抜いた。

Avanzareつくばの追加点は前半15分。ロベルトがドリブルでゴール前に持ち込むと、最後はまたも田村が右足で豪快に決めた。ゴール直後に「持っていかれた~」と悔やんだロベルトに対して田村は「ドルブルの音ではなくパスの音だったから迷いなく振り抜いた。でもごめんなさいって感じです(笑)」とストライカーらしい姿勢を見せた。

後半に入ってもAvanzareつくばは攻撃の手を緩めない。後半開始から田村をベンチに下げ、川村を中心とした攻撃でbuen cambio yokohamaのゴールに襲いかかる。川村は何度も相手キーパーを脅かすシュートを放つが最後まで得点を奪えなかった。「イメージ通りのシュートは打てていた。プレッシャーはなかった。これだけの観客の前で試合できるのは幸せ。楽しもうという思いでプレーした」。ゴールこそなかったものの、6月に行った日本代表のブラジル遠征で掴んだ成長を見せつけ観客を沸かせた。

buen cambio yokohamaは、前半途中から前線に上がった落合が個人技で何度も際どいシュートを放ったが、Avanzareつくばの固い守りに防がれ1点が遠かった。試合は2-0でAvanzareつくばが勝利。大会4連覇を果たした。

敗れたbuen cambio yokohamaの落合は4年ぶりの決勝戦を振り返り「6月に移籍してきた齊藤悠希のルーズボールの反応がよかった」とポジティブな面にも触れつつ、「そこを活かして来年はもっとポゼッションをあげていきたい」と取り組むべき課題も明確にした。


観客を沸かせたAvanzareつくばの川村(写真左)


シャーレを掲げて連覇を喜ぶAvanzareつくばのメンバー


白熱の3位決定戦

決勝戦を前に行われた3位決定戦の松戸・乃木坂ユナイテッド対たまハッサーズの試合は、両チームともに堅い守りを見せ0-0で終了しPK戦に突入。両チームともに1人ずつ外し、先攻のたまハッサーズ2人目のキッカーで晴眼プレーヤーの中尾拓実がゴール右に決めた。松戸・乃木坂ユナイテッドの2人目のキッカーはベテランの佐々木康裕。シュートはゴール左ポストに当たりノーゴール。たまハッサーズがPK戦をものにして、3位決定戦を制した。勝利を決定づけるPKを決めた中尾は「準決勝では自分がPKを外して決勝に行くことができなかった。次は絶対決めるというリベンジの思いもあった」と、気持ちで結果を引き寄せた。

大会最優秀選手はAvanzareつくばの田村が2年連続で受賞。最優秀GKにはAvanzareつくばの清都俊仁、フェアプレー賞にはたまハッサーズがそれぞれ選ばれた。


たまハッサーズのエース黒田


PK戦で勝利したたまハッサーズ


2日間で3,347人が来場

障がい者スポーツとして国内大会では珍しい有料席の販売は、7月7日時点で100席が完売。過去最多となる15の参加チームに加え、2日間を通して合計3,347人が来場し、日本における最大級規模の障がい者スポーツの大会となった。

閉会式でプレゼンターを務めた日本障がい者サッカー連盟(JIFF)の北澤豪会長は、大会を次のように振り返った。

「いいプレーが多く見られて、大会のレベルがどんどん上がってきていると感じた。チーム数がどんどん増えて全国的な広がりをみせている。(日本代表は)残念ながらリオには出られないが、(6月の)ブラジル遠征に参加した選手たちに違いが見られるなど、未来への期待も持たせてくれた。リオの出場がかなわなかったのは残念だけれど、途絶えてはいない。日本のスポーツは出場権を逃すと、注目度が下がるものだが、そうならなくてよかった」

東京で行われるパラリンピックは、4年後に迫っている。

「代表選手だけでなく、日本選手権だったり、普段のリーグ戦だったりに広がりを持たせていかないといけない。今の強化と先々の普及をどのようにするか。それを考えなければ、2020年がゴールで終わってしまう。ブラインドサッカーが他の障がい者サッカーにもいい影響を与えられるようなそういう存在にしていかなくてはいけない」
と、北澤会長は続けた。

多くの観客が見守った「第15回アクサブレイブカップブラインドサッカー日本選手権」。ブラインドサッカーが4年後に向けて大きな一歩をふみ出した。


text by Tatsu Ikeda
photo by X-1
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