[第1回記者ブリーフィング]ノルディックスキーの荒井監督が日本チームの現状を語る

[第1回記者ブリーフィング]ノルディックスキーの荒井監督が日本チームの現状を語る
2016.02.10.WED 公開

12日に開幕する「2016ジャパンパラクロスカントリースキー競技大会」を前に、パラノルディックスキー日本代表チームの荒井秀樹監督による記者ブリーフィングが日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)内“ i enjoyステージ”で行われた。パラサポでの記者ブリーフィングは今回が初めてで、新聞やスポーツサイトの記者、関係者など約20人が集まった。

監督はまず、「係数制(パーセンテージ)」での実施や自然環境とも戦うノルディックスキー競技の現状や特性について説明し、競技力向上には選手やコーチ、スタッフ、そしてメディアやパラサポなども含めた「“チーム”としての取り組みが絶対必要」と強調した。

また、2年後に迫ったピョンチャンパラリンピックに向け日本代表チームが現在取り組む、「6つの柱」についても説明。具体的には1)14年ソチ大会後に一新した指導者体制、2)JISSでの医科学トレーニングの強化、3)ピョンチャン調査分析とワックスなどの開発、4)メダル有望選手の強化、5)ジュニア・次世代選手の発掘強化、6)国際大会開催など国内における競技の普及の6つで、監督は「オリンピック、パラリンピックの現場レベルでの連携の必要性」を訴えた。

さらに、ピョンチャンパラリンピック会場を使って1月28日から開催された、IPC障がい者スキーアジアカップなどで収集したピョンチャン情報や他国の情報などについても報告した。

メディアからは他競技で進むオリンピックとパラリンピックの競技団体間の連携の可能性や統一化に関する質問などが出された。これに対し、荒井監督は、競技会場もルールも健常者とほぼ同じで、生涯スポーツとしての可能性も高いクロスカントリースキーは連携を進めていくべきであることや銃刀法による規制という特殊性のあるバイアスロンは日本バイアスロン連盟との連携が不可欠であり、昨年には同連盟内に障がい者バイアスロン委員会が立ち上がるなど、進展している状況を答えた。

自国開催の長野パラリンピックで活躍した
photo by X-1

また、この日は、パラサポのプロジェクトマネジャーとして勤務することになった、マセソン美季(旧姓:松江)のメッセージも発表された。マセソン美季は、1998年長野パラリンピックのアイススレッジスピードレースで金メダル3個(500m、1000m、1500m)、銀メダル1個(100m)を獲得しているパラリンピアン。2016年より、住居のあるカナダと日本を往復しながら、パラスポーツの国際支援や教育プログラムの開発などに従事する。

メッセージは、2020年東京大会に向けて日本の社会が抱えている問題点を指摘しつつ、彼女の考える共生社会ついての思いが込められ、今後の取り組みが楽しみになるような内容だった。

パラサポは1月に記者クラブをイメージしたメディアセンターをオープン。パラリンピック競技の魅力を広げるべく、今後も継続して記者ブリーフィングを展開していく。

text by Kyoko Hoshino , Asuka Senaga
photo by Parasapo

[第1回記者ブリーフィング]ノルディックスキーの荒井監督が日本チームの現状を語る

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