[三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2017記者会見] 男子日本代表が世界の強豪3カ国と総当たり戦! 東京に向ける新たな国際大会を開催

[三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2017記者会見] 男子日本代表が世界の強豪3カ国と総当たり戦! 東京に向ける新たな国際大会を開催
2017.07.24.MON 公開

日本車いすバスケットボール連盟は7月20日、記者会見を行い、国際大会「三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2017」の開催を発表した。

8月31日から3日間、東京体育館(渋谷区)で行われる大会には、日本のほか2014年世界選手権優勝のオーストラリア、リオパラリンピック3位のイギリス、6月の欧州選手権を制したトルコが参加。4ヵ国による総当たり戦のあと、順位決定戦を行う。

選手強化のみならず、ファン拡大、審判員・ボランティア育成も

「多くの方に世界レベルの大会を見て欲しい」と玉川会長
「多くの方に世界レベルの大会を見て欲しい」と玉川会長

同大会は、2020年東京パラリンピックに向けての強化、運営準備という位置づけで、3年連続で開催する予定だ。日本車いすバスケットボール連盟の玉川敏彦会長は開催意義をこう述べる。

「開催には3つの目的がある。当然、ひとつは日本代表の強化。世界トップレベルにチャレンジすることで、2020年東京パラリンピックでメダル獲得に近づきたい。ふたつ目は、多くの方に世界レベルの大会を見てもらい、ファンを増やすこと。そして2020年に向けて競技役員、ボランティアの育成を図りたい」

大会方針の一環として、国内のパラスポーツ大会として数少ない一部チケットの有料化もされ、7月22日(土)よりチケット販売が開始される。

「パラスポーツへの関心が高まっているが、ほとんどのパラスポーツは入場無料で行われる。しかしリオパラリンピック大会はすべて有料で、2020年大会も有料で行われる。車いすバスケットをチケットを購入しても見に行きたいという競技に変えていきたい」とは、常見浩副会長の言葉だ。

今年はチケット販売で300万円の売り上げを見込んでおり、常見副会長は、「開催費用1億円にはほど遠い数字だが、我々としても手探りの試み。徐々に規模を増やし、最終的には2、3階席も使って1000万円を目指したい」と話している。

このほか大会に関する試みとして、参加チームと事前キャンプ地との国際交流や公開練習試合も予定されている。

メダルを目標とする新チームお披露目の場

大会開催の決定で、東京を見据えるトップ選手らの気持ちも高まっている。

リオパラリンピックで“6位以上”という目標を掲げながら9位に終わった日本は、リオ後、東京大会で「メダルを獲る」という目標を新たに掲げ、2016年12月、日本代表チームを一度解体し、選手を選出し直した。今大会は新チームのお披露目となる。

12年ロンドンパラリンピック、14年世界選手権(韓国)で9位と、国際大会で9位が続いている日本はここで「9位脱出」のきっかけをつかみたいところだ。

藤本は、チームプレーを光らせるための個の力が重要だと語った
藤本は、チームプレーを光らせるための個の力が重要だと語った

エースの藤本怜央は「日本国内で強豪国と戦わせてもらうことは、大きなチャンス。戦うことが強化にもつながる。2020年の目標を達成するためにも、今回は優勝という結果が求められると思う。日本は世界で戦うためにチームワークが大事だが、チームワークを作るための個人の力がないとダメ。日本代表として結果を出すという責任にこだわりたい」と力を込めた。

一方、藤本とともにドイツリーグでプレーする香西宏昭は、「海外でエースと呼ばれている選手と戦えることがありがたい。コンディショニング的にも助かる。皆さんには私たちが挑戦している姿を見てもらえれば……」と語った。

強化策のキーワードは“スピード”&“敏捷性”

日本代表は今年、カナダやオランダ、ベルギーなどの海外遠征を経て、フィジカルとメンタル面を強化してきた。これまで“ケア”が中心だった体作りも、2月からフィジカルコーチと契約したことで、「鍛える」体作りへとシフトしている。

及川晋平ヘッドコーチは、「今まで世界のバスケットに追いつくのが目標だった。しかし、リオ後、そうではないだろうと。日本しかできない新しいバスケットを作りたい」と決意表明。その裏には、世界との体格差があり、小柄な日本選手が勝つためにはスピードと敏捷性を活かし、オールコートを使った戦術に取り組みたいという思いがあるという。

「3年は長いようでわずか。若い力を汲み取りながら、リオ後の日本男子を披露したい。いい試合の連続と勝ちをもぎとって自信をつけられれば。今大会が試金石となるように最大限のチャレンジをしたい」と話した。

<三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2017>

●事前キャンプ地(各地で公開練習試合等を実施予定)

オーストラリア:東京都・港区スポーツセンター
英国:千葉県・浦安市運動公園総合体育館
トルコ:東京都・品川区総合体育館
日本:千葉県・千葉ポートアリーナ

●料金(アリーナ席)

8月31日(木)・9月1日(金)前売り800円 当日1000円
9月2日(土)前売り1300円 当日1500円
*2F・3Fスタンド席は無料
*9月1日(金)午前中の試合はアリーナ席無料
*車いすの方も同料金。ただし、介助者1名に限り無料

メンタル強化に取り組んでいるという香西
メンタル強化に取り組んでいるという香西
日本財団ビルで行われた記者会見
日本財団ビルで行われた記者会見

text by TEAM A
photo by X-1

[三菱電機WORLD CHALLENGE CUP 2017記者会見] 男子日本代表が世界の強豪3カ国と総当たり戦! 東京に向ける新たな国際大会を開催

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