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Sports /競技を知る
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【アジアパラPREVIEW】世界のトップが集うパラアーチェリー。地の利を生かし、メダル争いに食い込めるか
岡崎市で開催される愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会のパラアーチェリーは、大江佑弥をはじめとする有力選手たちがメダル獲得を目指し、アジアの強豪に挑む。
最大3つのメダル獲得のチャンス
パラアーチェリーは、世界ランキングの上位にアジア勢がひしめいているため、アジアパラでも世界レベルの争いが期待できる競技だ。種目は、大きく分けて「パラリカーブ」と「パラコンパウンド」、そして障がいの重い「W1」の3つ。ロサンゼルス2028パラリンピック同様、それぞれ男女の個人戦と男女混合のミックスチームが行われるのだが、今回ではさらに同性2名によるチーム戦「ダブルス」もあり、計15種目が実施される。
日本は計7人の選手を送り込む。個人戦に加え、パラリカーブとパラコンパウンドはミックスチームと男子ダブルスにも参戦可能なため、選手によっては最大3つのメダルを獲得するチャンスがある。

予選の結果をもとに、決勝ラウンドの組み合わせが決定
予選の「ランキングラウンド」では、72本の矢を放ち、合計点の高い順に順位を決定。トーナメント形式で行われる決勝ラウンドの組み合わせを決める。また、一つの種目に複数の代表選手がいる場合、予選ラウンドの順位が高い者同士でミックスチームを組む。そのため、まずはこのラウンドで上位を目指してしのぎを削る。
「決勝ラウンド」は、1対1のトーナメント形式で、勝敗を決める方法は大きく2つ。パラコンパウンドは、総得点数を競い合う「合計得点制」。一方、他の種目は「セット制」。セットごとに合計点が高い方に2ポイント、同点の場合は両者に1ポイントを付与、既定の合計ポイントに先に達した方を勝ちとする。どちらの方式も1射のミスが勝敗を分けるため、緊張感の高い試合展開となる。

なお、10月19日(月)~20日(火)の【予選フィールド】では、「ランキングラウンド(予選)」と、「決勝ラウンド」のうち各ミックスチームの準々決勝とその他種目の準決勝までを実施。10月21日(水)~24日(土)の【決勝フィールド】では、各ミックスチームの準決勝以上とその他の種目のメダルマッチが行われる。予選フィールドは無観客試合だが、決勝フィールドは観戦可能だ。
メダル獲得に期待大のパラコンパウンド
2025年11月より全日本アーチェリー連盟の傘下となったパラアーチェリー。「全種目でメダルマッチに絡むことが一番の目標」と語る末武寛基ヘッドコーチは、「たくさんの方に尽力していただいた。その方々への感謝を忘れずに活動していきたい」と気を引き締める。

メダル候補の最右翼は、大江、渡邊大輔、篠原彩が出場するパラコンパウンドだ。

大江の強みは世界トップレベルの得点力にある。3月~4月に行われたバンコク2026ヒョンデ・ワールド・アーチェリー・パラシリーズ(以下、バンコク大会)の予選ラウンドでは、世界ランキング1位で、同大会優勝のトマン・クマール(インド)に3点差に迫る686点をマークし4位で通過した。その後も調子を上げ続けており、6月に行われた公認競技会では700点と、4年ぶりに自己ベストを更新。「心と体が安定している」と好調の理由を自己分析する。「何が何でもメダルを獲得するという思いが今までのどの大会より強い。泥臭く戦いたい」と活躍を期す。
渡邊は、円盤投げ(F46)の元日本記録保持者。パラ水泳、障がい者野球、パラ陸上競技を経て、2019年にパラアーチェリーに転向した。バンコク大会では決勝ラウンドの2回戦で、144対144というハイレベルな戦いを展開。シュートオフで敗れ9位となったが、上位進出を期待させる一戦となった。「最近矢を変えて、調子が戻ってきた。予選ラウンドでは、自己ベストの686点を更新、個人の決勝ラウンドはベスト8以内、できれば表彰台を目指したい。ダブルスではバンコク大会で逃したメダルを今度こそ狙いたい」と意気込む。

篠原は、2018年にジャカルタで開催されたアジアパラ銀メダル(W1)のベテラン。バンコク大会では大江とのミックスチームで3位を獲得した。「同じ動作を繰り返すスポーツなので、(自然条件などに惑わされず)ルーティーンとして射つように心がけている」と、ベテランながらも向上心を絶やすことなく競技に向き合い続ける。「2018年の大会と種目は違うが、個人戦でまたメダル争いにからめれば」と、静かに闘志を燃やす。

ベテランと新人が融合するパラリカーブ、個人の奮闘に期待したいW1男子
パラリカーブでは、上山友裕、大塚忠胤、三木春乃の3人が出場する。

「ロサンゼルスパラリンピックに向けて、必要な試合だけ出場している」と明かす上山は、日本代表のリーダー的な存在として全体を俯瞰。「今回の合宿でも、全日本アーチェリー連盟が一緒にがんばっていこうとミーティングをしてくれた。その気持ちを裏切らないようにしたいし、ロサンゼルスパラリンピックに1人でも多く出られるように」と展望を語る。2022年に杭州で行われたアジアパラは個人で銀メダル、ミックスチームで銅メダルだった上山。「金メダルを目指すと言ってしまうと緊張してダメになるので。でも、決勝の舞台に立っているという経験値がある」。まずはできるだけ上位で決勝ラウンドに進むことがカギになりそうだ。

大塚はもともとパラコンパウンドの選手だったが、東京パラリンピック出場を逃したことを機に、パラリカーブに転向。「世界ランキング1位の実績がある上山選手に勝てば僕も世界を取れると考えたら、すごくやりがいがある」と目を輝かせる。「(上山選手に勝っているのは)アーチェリーが大好きということぐらい」と控えめに語るが、アジアパラ競技大会での目標は、「もちろん一番いい色のメダル。(個人、ミックスチーム、ダブルスと)3つ金色をそろえられたらいい」とライバルに勝つ気満々。現在の世界ランキングは、上山、大塚ともに68位と互角。日本人対決の軍配がどちらに上がるかも注目だ。

パラリカーブ女子は、バンコク大会が初の日本代表にして初渡航だったという新人の三木春乃。「緊張しっぱなしで指先が冷たくなり力も入らなかった」と振り返る。アジアパラ競技大会の一番の目標は「体調を崩さず、試合にいつもどおりの自分で臨めるようにすること」。末武ヘッドコーチは、「どの種目でも、男女とも強いという国は少ない。女子選手をしっかり育てられれば、日本をミックスチームが強い国にできると思う」(末武HC)と先を見据え、「ロサンゼルスパラリンピックに向けて、まずは国際大会に慣れることが大切」と、見守る方針だ。

W1男子・大山晃司の世界ランキングは37位。バンコク大会の最終順位は14位だった。「右肩上がりで状態も良くなってきている。アジアパラではずみをつけて、ロサンゼルスパラリンピックの出場枠がかかる大会でいい成績を残したい。そのためにも、今大会は最低でも銅を目指したい」と、意気込む。競技に集中できる環境を求めて、9月から所属先を移ったこともあり、気合十分だ。

どの種目も上位を狙うには、一射目からど真ん中を射抜く「ファースト10」が求められる。最初から最後まで高い集中力を保てるか。一射ごとの行方に注目したい。
※ランキングは10月5日時点
text by TEAM A
photo by Hiroaki Yoda






