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コミュニケーション力や社会性が自然と身につく!親子で読みたい教育絵本6選

コミュニケーション力や社会性が自然と身につく!親子で読みたい教育絵本6選
2019.12.02.MON 公開

ラグビーワールドカップの日本チームの健闘に胸が熱くなった人も多いのでは。出身国も文化的背景も違う、それぞれ異なる個性・価値観をもつ選手たちが集まり、心をひとつにして目標に向かって突き進む姿は大きな感動をよんだ。うちの子も将来的にはこんなふうにどんな立場・考え方をもつ人とも対等に、そして相手を尊重しながら社会で活躍してほしいと願う人も多いはず。

さて、どうやったらそんな子に育つ?コミュニケーション力や社会性は幼少期の教育が大事と言われる。ここでおすすめしたいのは、親子で楽しく読める教育絵本。学ぶというより遊びの延長で自然と理解が深まる、とっておきの6冊をご紹介しよう。

宇宙も地球も一緒だよ。違うところをおもしろがろう!

『みえるとかみえないとか』

ヨシタケシンスケ 作/伊藤亜紗 相談

アリス館

『りんごかもしれない』『おしっこちょっぴりもれたろう』など、ユニークな発想が人気のヨシタケシンスケ氏の絵本。宇宙飛行士のぼくが降り立ったのは、目が3つあるひとの星。その人たちからぼくは「後ろが見えないなんてかわいそう」「後ろが見えないのに歩けるなんてすごい」と言われる。そこで出会った目の見えない人に話しかけてみる。目が見えないからこそ気づけること、生活の工夫があることを知り、素直におもしろいと感じる。
違いってなんだろう。違うところをお互いにおもしろがればいい。いろいろな人が暮らす社会を子どもならではのフラットな視点でとらえたストーリー。

発達障がいをもつ子どもとクラスメイトが、みんなで考えて見つけた魔法の工夫とは?

『つながろ!』にがてをかえる?まほうの工夫

しまだようこ 作/井上雅彦 監修

今井出版

クラスメイトのまいちゃんは、みんなとちょっと違った行動をとる女の子。突然走り出したり、夢中になるといつまでもお絵かきを続けたり、先生に叱られてもなぜ叱られたのかわからなかったり…。そんなまいちゃんの苦手なことを、先生とクラスメイトがみんなで工夫してわかりやすいルールをつくり、楽しく学校生活が送れるように変えていく。結果、まいちゃんだけでなく、クラスのみんなにとってわかりやすい環境ができ上がり、みんなの気持ちが一つになるという心あたたまるストーリー。
巻末には監修の井上正彦先生の解説つき。発達障がいの子どもに顕著な行動パターンと、なぜそういう行動をしてしまうのか、そういう子どもにはどのように接するとわかりやすいのかなど、具体的なアドバイスが掲載されており、大人が読んでも学ぶことが多い1冊。

人と違ってもいいんだよ。苦手なことがあれば、得意なこともある。

『そらをとびたかったペンギン』だれもが安心して存在できる社会へ

申ももこ 作/はやしみこ 絵/
shizu 協力/佐藤恵子 解説

学苑社

自身も自閉症スペクトラムである母が、同じく自閉症の息子のために作ったお話。飛べないペンギンのモモは、ほかの鳥たちのように飛んだり上手におしゃべりしたりができない。みんなに合わせようとするとだんだん苦しくなる。みんなと同じようにできない自分が嫌で、ひとり離れて遠くへ。そこでペンギンの仲間を見つけ、ほかの鳥たちと違って水の中でスイスイ泳げることを知る。みんなの元に帰ったモモは自分の得意なこと・不得意なこと、今の気持ちを正直に伝え、みんなと共生していくというストーリー。
障がいの有無に関係なく、誰もが「自分は周りの人よりも〇〇ができない」といったモモと近い気持ちを抱くことがあると思う。苦手なことがあれば、得意なことだってある。だから、君は君のままでいいんだよ。この絵本からは、そんなあたたかいメッセージが感じられる。

どうすればじっとできる?ADHDの少年が考えたすばらしい解決策

『ボクはじっとできない』自分で解決法をみつけたADHDの男の子のはなし

バーバラ・エシャム 作/マイク&カール・ゴードン 絵/品川裕香 訳
岩崎書店

主人公はADHD(注意欠如・多動性障がい)の男の子、デイヴィッド。いろいろと湧き上がるアイデアをすぐに実行したくて我慢できず、授業中であっても行動を起こしてしまい、つい先生や周りの友だちをイラつかせてしまう。自分でもどうにか自分を変えたい。そう思った彼は「じっとできない病」である自分の特性と向き合い、対策を発見する。ほかのことに気をとられないようにするための「注意・集中力向上カード」、どうしても体を動かさずにいられない時ににぎる「ストレス・ボール」など、自分の状態に合わせた対策法を学校の先生に提案する。
発達障がいがあってもなくても、子どもたちには自らの課題に『気づく』→『解決策を考える』→『行動に移す』といった、自分で解決方法をみつける力を学んでほしいもの。その最初の一歩として、親子でこの絵本を読んでみては?

子どもたちが初めて知る手話の世界。ひみつの言葉みたいでワクワク!

『わたしたち手で話します』
フランツ=ヨーゼフ・ファイニク 作/フェレーナ・バルハウス 絵/ささきたづこ 訳
あかね書房

聴覚に障がいのある女の子リーザと健常者だけど手話ができる男の子トーマスが出会うところから物語は始まる。二人が手で話す様子がまるで秘密の言葉で会話しているかのようで、周りの子どもたちは手話に興味津々に。それぞれのあだ名を手話で表現したり、トーマスを通してリーザとコミュニケーションをとり、仲良くなっていく。
聴覚に障がいのある両親をもつトーマスの家へみんなで遊びに行くくだりでは、家の中での日常生活の工夫、聴覚障がいのある人への接し方などについて触れられており、より深い部分で理解につながる内容になっている。
聴覚に障がいがあることは、ぱっと見ただけではわかりにくいもの。手を使って会話する人たちを見て、「あれは何をやっているの?」と疑問に思う子どももいるだろう。この絵本は、聴覚障がいを理解するファーストコンタクトとしておすすめの1冊。

車いすで移動するのって、どんな感じだろう?

『おとうさんといっしょに』
白石清春 作/いまきみち、西村繁男 絵
福音館書店

障がいを持つお父さんと男の子のある日の日常を描いた絵本。ふだんはお母さんと自転車で保育園に向かうあきくんは、事情があってお父さんと電動車いすで登園することになる。初めて乗る電動車いすにドキドキしたり、駅の反対側に行くために薄暗い地下道を進んだり、上り坂でゆっくりになってしまう車いすを応援したり…。
この本が刊行されたのは1987年。当時は今ほど公共施設のバリアフリー化は進んでおらず、保育園までの道のりはちょっとした冒険のように思えたのかも。今では交通機関の対応が進み、街で車いす移動の人をみかけることも多くなった。絵本を読んだあとに、車いす移動がしやすいようにどんな工夫がされているのかなど、親子で話し合ってみるのもおすすめだ。


社会にはいろいろな人がいる。健常者であれ障がいのある人であれ、性別が違っても国籍が違っても、考え方で合う部分合わない部分があっても、お互いにそれを受け入れ歩み寄り、みんなが心地よい環境を作ることが大事。そういうベースは幼少期に培っておきたいもの。絵本の読み聞かせならいつでも始められるし、親子で楽しみながら自然な流れで人間の多様性への理解を深め、社会性を育むことができるので、チャレンジしてみては?

text by Parasapo Lab
photo by shutterstock

コミュニケーション力や社会性が自然と身につく!親子で読みたい教育絵本6選

『コミュニケーション力や社会性が自然と身につく!親子で読みたい教育絵本6選』