香取慎吾がパラスポーツの魅力を発信「もっとSNSでつぶやくので1度でも会場に行ってみて」

香取慎吾がパラスポーツの魅力を発信「もっとSNSでつぶやくので1度でも会場に行ってみて」
2018.10.24.WED 公開

※本記事は8月24日付サンケイスポーツ東京本社版に掲載されたものです。

2020年東京パラリンピックは、8月25日で開幕まで2年を迎えた。サンケイスポーツ(東京版)では前日24日付で月イチ特集「2020 GO TO TOKYO パラリンピック」の特別編として、日本財団パラリンピックサポートセンター(略称パラサポ)の山脇康会長(70)と、パラサポのスペシャルサポーターを務める元SMAPの香取慎吾(41)が2年後のイメージやパラスポーツの魅力を語り合った紙面を掲載。国際パラリンピック委員会(IPC)の特別親善大使に任命された香取はSNSも駆使しての全力応援を誓い、サンスポコムにスペシャル動画メッセージを寄せた。(取材構成・田代学、角かずみ)

パラスポーツの魅力を語った香取慎吾 ⓒ産経新聞社

◆会場満員に

--どんな東京パラリンピックをイメージしていますか

山脇 「会場は満員で、観客から『◯◯、頑張れ!』と選手が名前を呼ばれて声援を送られていたらうれしいですね。競技やルールの理解を深めて応援できたら、選手も素晴らしいパフォーマンスを発揮してお返しができる。そうなるように、できることは何でもします。迷ったら、まずやってみます」

香取 「僕も応援に来てくれる方で会場が埋め尽くされたらって思ってきましたけど、最近は少し変わりました。『頑張れ!』だけじゃなくて、ミスったときに『何やってんだよ』って、ちゃんと言えるような応援までいけたらうれしい。選手と観客、お互いの心がちゃんとぶつかりあえるのがスポーツ。そのためにも、2年後に初めてパラスポーツを観戦するんじゃなくて、何の競技でもいいから会場に足を運んで見てほしい」

自身が描いた壁画を背に記念撮影に応じる香取(右)と
パラリンピックサポートセンター(パラサポ)の山脇康会長 ⓒ産経新聞社

◆山脇会長&香取慎吾がスペシャル動画メッセージ

--2年後に向けての取り組みは

香取 「今さらなんですけど、もっとSNSを活用しようと思っています。僕が行けなくても、『ここで大会があるよ』とつぶやくだけでも違うのかなって。近所だから行ってみたという人がいたら、初めてパラスポーツを見たきっかけになる。おいしいものを食べましたってつぶやくより、こういう使い方、今までなんでしなかったのか…。それには僕が情報を知らないといけないから、パラサポのホームページとかをすごく見るようになりました」

山脇 「香取さんがつぶやくことによって、今までパラリンピックに全く興味のなかった人が行ってみようかということになる。国際パラリンピック委員会(IPC)の特別親善大使に任命されましたからね。鬼に金棒みたいな方に参加していただいた。どんどん行動を起こして、この輪を広げていただきたい。パラサポも、情報の発信源としてパワーアップしていきます」

香取 「お願いします。僕、本当に見ているんで。パラサポのサイトがなければ、情報を探せていないですから。普段の生活の中で情報が得られるようじゃないと見に行きたくても行けない。それを最近感じて、ハッシュタグやインスタ、東京2020やパラサポのアカウントとか、自分がわかる限りのものを付けるようにしています」

山脇 「パラスポーツっていろんなことに気付かされる、おもちゃ箱みたいなものなんです。ただ、なかなかきっかけがない。パラリンピックという言葉は97%ぐらいの人が知ってるんだけど、実際に見に行ったことがないとか競技のことを知らないっていう人が依然として多い。パラサポの共同オフィスには28の競技団体が入っているので、協力して発信を続けていきます」

パラサポの山脇会長(左)に日本財団の施設内を案内される香取 ⓒ産経新聞社

◆平昌生観戦

--お二人は平昌冬季パラリンピックを現地で観戦されたそうですね

山脇 「香取さんに楽しんでいただけたのが、うれしかったですね。会った選手や会場の雰囲気を一生懸命に伝えてもいただきました。パラスポーツって知れば知るほど奥が深くて、どんどん興味が湧いてくる。それを自分で解釈して、ファンに伝えられるところが素晴らしいです」

香取 「平昌に行ったことは自分にとって大きかったんですよ。まだ実際に競技場で見てもいないのに『一緒に応援しましょう』って言うのと、現地へ行ったのでは全然違う。選手に会うまでは、体に触れていいものなのか、どう話したらいいのか、という思いがどこかにあったんですけど、どんどん打ち消されていきました。みなさんのパワーに触れて、こっちまで頑張ろうって思える部分が多かった」

山脇 「非常に奥が深いんです。パラスポーツって見るだけで、いろいろなことが感じられて、何倍にもなって自分に返ってくる。私も最初、香取さんと何から話そうかと緊張しましたけど、一緒に観戦すれば、それだけで何年も一緒にいる仲間みたいになれる。そう改めて感じました」

--最後に改めてパラスポーツの魅力とは

山脇 「何ができないかではなくて、何ができるかを見せてくれるところです。私たちにいろんな気づきも与えてくれます。2012年にロンドンで初めてパラリンピックを見て、人間の潜在能力ってすごいなって驚きました。みなさんにも、その衝撃を知っていただきたいです」

香取 「やっと(魅力を語る)スタートラインに立てたかなという感じです。最初はみなさんに知ってもらえるようにお伝えできたらなと思っていたんですけど、あまりにも自分が知らない部分が多すぎました。まずは1度でもいいし、何の競技でもいいから会場に足を運んでほしい。それで2年後の会場に行ってもらえたら、僕が平昌で味わった気持ちを感じてもらえると思います」

パラサポの山脇会長(左)の話に耳を傾ける香取 ⓒ産経新聞社

■巨大壁画

東京都内にあるパラサポセンターの共同オフィス入り口には香取が描いた巨大な壁画がある。2015年のオープンに合わせて延べ10日間かけて制作した縦2・6メートル、横6・1メートルの大作。視覚障害者が手で触れてわかるように凹凸をつけ、コーティングもしてある。「非常に奥の深い絵で、さまざまなメッセージが込められている。パラサポのエネルギーのもと、象徴的なものになっている」と山脇会長。28団体が集うオフィス内を見学した香取は「やっとゆっくり見られました。しっかり根付いてきましたね」と職員らに声をかけていた。

山脇康(やまわき・やすし)
1948(昭和23)年1月23日生まれ、70歳。愛知・半田市出身。1970年に名古屋大学を卒業後、日本郵船入社。副会長などを歴任し、2016年からアドバイザー。日本パラリンピック委員会では12年に副委員長、14年から委員長。13年から国際パラリンピック委員会の理事、14年から東京五輪・パラリンピック組織委員会の副会長も務める。15年から日本財団パラリンピックサポートセンター会長。趣味はスキー、ゴルフ。

香取慎吾(かとり・しんご)
1977(昭和52)年1月31日生まれ、41歳。神奈川県出身。87年にジャニーズ事務所に入り、翌88年にSMAPに加入。96年に日本テレビ系「透明人間」で連ドラ初主演。2000年には慎吾ママとして「慎吾ママのおはロック」を発売し、「おっはー」が同年の流行語大賞に。16年12月にSMAPが解散後、ソロに。17年9月に同事務所を退所後は、初の個展を開催するなどアーティストとしても活躍。1メートル82。

日本財団パラリンピックサポートセンター
2020年東京大会の成功とパラスポーツの振興を目的に日本財団の支援で設立。「i enjoy~楽しむ人は強い」をテーマに共生社会を目指して、さまざまな活動を行っている。今年6月には東京臨海副都心地区にパラスポーツ専用体育館を設けた。公式ホームページはhttps://www.parasapo.tokyo/

香取慎吾がパラスポーツの魅力を発信「もっとSNSでつぶやくので1度でも会場に行ってみて」

『香取慎吾がパラスポーツの魅力を発信「もっとSNSでつぶやくので1度でも会場に行ってみて」』