小中高生が直撃取材! 河合純一スポーツ庁長官が語る、夢やスポーツの力とは
小・中学生、高校生が記者として河合純一長官に直接質問をする体験会が都内で開催された。
記者体験会には10人の子どもたちが参加。ボッチャ体験やスポーツの楽しさについて座談会を行ったあと、学生記者たちが質問を投げかけた。

高校生記者が金メダリストに質問
河合長官は元教諭であり、全盲のパラリンピアン。3月には選抜高校野球大会の開会式で始球式を行い、17歳で初めてパラリンピックに出場し、震えるような緊張感を味わった、とスピーチして話題になった。
埼玉県立松山高等学校に通う酒井さんは4月から2年生。新聞部と陸上部の2つの部活動に所属し、精力的に活動している。

いくつか質問をした後、必ず質問しようと考えてきたという質問を投げかけた。
「競泳の大会にはどういう精神状態で臨みましたか」

これに対し、河合長官は次のように答えた。
「いつも通りやるということ。練習もいつも本番のような気持ちで真面目にやって、練習と同じようにやれば勝てるという自信を持ってスタート台に立つ。勝てる勝てないは9割ぐらい決まっているから、そこまでに勝てる自分になれているかどうかが大切。一日の一分一秒を無駄にせず練習することです」
その言葉を聞き、酒井さんは「いつも通りという言葉に、感銘を受けた。次の陸上の大会では長官が言ったことを意識して、試合に臨んでいきたい」と充実した表情で話した。

河合長官については、「スポーツに対して真剣で面白い人」という印象を受けたという。河合長官は「何かあったらいつでも長官室に来てね」と気さくに呼びかけた。

同じ新聞部の3年生で写真を担当する福島さんは、運動があまり得意でないことから、運動部ではなく新聞部に入部し、活動しているという。
この日は、スポーツ庁として力を入れていることについて直接質問し、 「取材(インタビュー)は慣れていないけれど、楽しかった。今日、いろいろ体験してみて、スポーツはみんなで楽しむことができると伝えたいと思った」と笑顔で振り返った。

中学生が全盲になったときの心境を聞く
中学生の倫花さんはサッカー観戦が大好き。スタジアムで知らない人たちと勝利を分かち合う瞬間に、スポーツの力を感じているという。

河合長官が両眼の視力を失ったのは15歳のとき。「ほとんど私と同じ。想像すると怖い」と話した倫花さん。当時、河合長官はどんな気持ちだったか、質問した。
「見えなくなるでしょ、でも、泳げる。もちろんぶつかったりはするが、バタフライとかも泳ぐことができた。自分が自分でいられる場所があったのが大きかった。勉強も書いてある文字とかは読めないんだけど、先生が工夫してくれて答えることができた。見えなくなったけど、河合純一は河合純一、15歳は15歳というのは変わらないまま。ただ見えたものが見えなくなった。だから、見えない中でどうしたらやっていけるのかなというのを考えたのと、ちょうどそのころ15歳の頃は、教師になりたかった。自分に夢があるというのは助かったかな」

河合長官は、「苦手なスポーツがあると、『(スポーツを)好きじゃない』という気持ちにさせてしまうことがあるのだと気づかせてもらった。そういうところに気を配りながらがんばっていきたい」と振り返った。
それぞれの記憶に残る記者体験会だった。

text by Asuka Senaga
photo by Michi Murakami






