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Sports /競技を知る
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世界6位のゴールボール女子日本代表。ロサンゼルスへ続く新たな挑戦の幕開け
パラリンピックでは過去に金メダルを獲得しているゴールボール日本代表だが、世界選手権においては、いまだメダルを獲得したことがない。前回のポルトガル大会では、準々決勝で敗れベスト8に終わった女子日本代表。メダル獲得、そして2位以上に与えられるロサンゼルス2028パラリンピックの出場権獲得を目指した「2026 IBSAゴールボール世界選手権」は、一進一退の激しい戦いとなった。
女子はイスラエル、トルコ、中国、ブラジルが世界の強豪であり、2028年パラリンピック開催国のアメリカも力をつけてきている。16ヵ国が出場した今大会、日本は最初の山場である予選プールのカナダ戦を1-1の引き分けでしのぎ、予選を首位で通過して準々決勝進出を決めた。
重圧にのまれた準々決勝
迎えた準々決勝のアメリカ戦。キャプテンの高橋利恵子を中心に、全員でニッポンコールをしながらコートに入場した。エースの萩原紀佳もスタンドからのスタッフの声がけに応じ、自らに暗示をかけるように言葉を吐き出す。「やってやるぞ」。しかし、チームの雰囲気は明らかな緊張感に包まれていた。

試合は序盤、レフトの安室早姫が先制ゴール。しかし、前半4分、相手ライトのグラウンダーが高橋と萩原の間をすり抜け、同点に追いつかれる。その後、日本は速攻や移動攻撃で果敢にゴールを狙うが、追加点を奪うことができない。
ハーフタイムやタイムアウト中、緊張の色の隠せない選手たちの輪の中で、コーチ陣がときに笑顔で語りかけたが、選手の表情は硬いままだった。

守備では後半1分、前半途中からレフトに入った新井みなみが守備の逆を突かれて失点。日本はそのまま1-2で敗退を喫した。
「センターの脇下や、ライトが寝てしまうことで空きになるライトとセンターの間を狙ったが……。いい攻撃はできていたが、1本のコースの精度があまりよくなかった」と栃木隆宏ヘッドコーチは振り返った。

悔しさから立ち上がり、ライバルに勝利
この結果、今大会でのメダル獲得とロサンゼルスパラリンピック出場権獲得の目標は絶たれた。気持ちを切り替えるのが難しい状況の中、翌日の順位決定トーナメントへと向かう。
「今日から新しい道。ロサンゼルスパラリンピックに向けた挑戦という意味で、そんなに時間があるわけではない」
そう強い気持ちでコートに立った安室が、ライバルのカナダを相手に前半から畳みかけて複数得点をマークする。前日に目を腫らしていた新井も「気持ちはみんな落ち込んでいたが、この大会をきっかけに新たな形を作っていきたい」と話し、選手たちは本来の良い雰囲気の中でプレー。投球コントロールの課題を再確認するなど、実りある一戦となった。

後半の守備に課題を残した5位決定戦
最後の5位決定戦はブラジルとの対戦となった。ライトの萩原が初球、相手のポスト際にストレートを突き刺し、最高のスタートを切る。しかし、股下からの威力あるボールを織り交ぜて多彩な攻撃を仕掛けてくるブラジルに逆転を許した。
日本は後半の猛追を止められず敗戦し、最終順位は6位。前半を必死に守りきりながらも、後半に失点を重ねてしまう守備の課題が残った。
そんな中、大会前の壮行会で高橋が語った「どんな状態になったとしても笑顔で頑張る」という言葉通り、チームは最後まで前を向いて戦い抜いた。辻美穂子コーチも「選手たちは確実に強くなっている」と、その健闘を称えた。
収穫もあった。東京2020パラリンピックにはローイング(ボート)で出場した木村由が、初の世界選手権を経験。得意の回転投げで得点を挙げるなど、日本のオフェンスにアクセントをつけた。

一方で、課題も明確になった。ボールに触れてから10秒以内に投げ返さなければならないルールの中、今大会の日本は全体的にテンポが遅れがちになり、相手を攪乱する本来の強みが出しきれなかった。
司令塔の高橋は「やってきたこと自体は間違っていないという手応えはあった」としつつも、攻撃の起点として「自分たちの間が遅くなりがちだった。もっと早くテンポを上げられるよう、盛り上げていきたい」と、さらなるチームの進化を見据える。

舞台となった杭州の中国盲人門球訓練基地は、2023年のアジアパラ競技大会のゴールボールが行われた場所だ。ホームの中国代表は今大会、男女ともに優勝を飾り、10月に愛知・名古屋で開催されるアジアパラ競技大会でも最大のライバルとして立ちはだかる。
「アジアパラは、日本の皆さんに見ていただきやすい機会になる。そこでしっかり結果を残したいと思うので、応援していただけたら嬉しいです」
大会を終え、ブラジルの選手たちとハグを交わし、互いの健闘を称え合ったキャプテンは、笑顔でそう締めくくった。

text by Asuka Senaga
photo by TEAM A






