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「ParaFes 2019」パラスポーツと音楽の豪華コラボ!応援をテーマに6400人が一体に
パラアスリートをはじめ、アーティストやパフォーマーが共演する、新しい形のコラボレーションライブエンターテインメント「ParaFes 2019~UNLOCK YOURSELF~」(パラフェス2019)が、11月16日、武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナにて行われた。4回目を迎える今年のテーマは「応援」。日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)主催の一大イベントに過去最高の6400人が来場。あと1年を切った2020年東京パラリンピックへの注目度が、日に日に高まっていることを肌で実感できるフェスとなった。
16:00になると超満員の会場が暗くなり、いよいよフェスがスタート。まずはオープニングパフォーマンスとしてDJ Yamatoが登場。世界中から注目される「超絶テクニック」で、会場のボルテージが一気に上がる。
続いて行われた「オープニングパフォーマンス」では、応援をテーマに、健常者や障がい者のパフォーマー総勢21名によるコンテンポラリーかつアヴァンギャルドな圧巻のショーが繰り広げられた。
見るものの心を掻き立てる興奮のパフォーマンスが終わり、日本財団パラリンピックサポートセンター スペシャルサポーターである稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんが、この日はParaFes 2019のナビゲーターとして大歓声に迎えられて入場。「みなさんようこそ!」と挨拶し、今年のテーマが「OEN(応援)」であることを伝える。続いて登場したパラサポの山脇康会長は「たくさんの方にご参加いただきありがとうございます。東京2020パラリンピックまであと283日。みんなで大いに盛り上げて、ひとり一人が活躍できるインクルーシブな社会を一緒に作っていきましょう。」と挨拶。このイベントへの期待を語り、国際パラリンピック委員会(IPC)会長アンドリュー・パーソンズ氏からのビデオメッセージで開会が宣言された。
OEN-応援で盛り上がったパラアスリートによるデモンストレーション
パラスポーツとアスリートを紹介するパートでは、まずはアーチェリーの上山友裕選手と岡崎愛子選手が登場。上山選手は「的の10点のところに入れたら、ドーン!と応援してほしい」と語り、「ドーン!」というインパクトあるフレーズがこの日のキーワードとなった。デモンストレーションでは上山選手、岡崎選手ともに高得点連発で、そのパフォーマンスに思わず稲垣さんが発した「ドーン!」という掛け声で、会場全体が盛り上がり、一体感が高まった。
5人制サッカー(ブラインドサッカー)では川村怜選手、寺西一選手がパスやドリブル、シュートなど、まるで見えているかのようなプレイを披露し、観客を魅了。そして草彅さんも体験することになったのだが、その独特すぎるドリブルに観客が大盛り上がり。草彅さんが5人制サッカーをやった感想として、「自分の中で動きをイメージするのが大事」と語っていたのが印象的だった。
大堂秀樹選手と山本恵理選手が登場したパワーリフティングのデモンストレーションは、緊張感と熱気にあふれた時間だった。入場からバーベルを持ち上げるまで、与えられた時間はわずか2分間。その間、観客が手拍子で応援し、それぞれの自己ベストに近い重量が持ち上がると大歓声が沸き起こった。選手から最大限のパフォーマンスを引き出す応援の力を、会場が一体となって感じる結果となった。
会場全体が惹きつけられた「ParaFes UNLOCK LIVE」
パラアスリートによるデモンストレーションの後は、このフェスのもう一つの醍醐味である「ParaFes UNLOCK LIVE」の時間。全盲のシンガー&ピアニストのわたなべちひろさん、両腕のないギタリストのジョナタ・バストスさん、全盲の中学生ドラマー酒井響希さんが登場し、白熱のライブで観客の心をグッとつかむ。後半はLittle Glee Monsterもステージに上がり、全員でコラボレーションを展開。伸びやかでエネルギーにあふれた歌声と、魂のこもった演奏が高次元で融合し、圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。
「SPECIAL LIVE」にウルフルズが登場!
SPECIAL LIVEではウルフルズがソウルフルかつロックンロールな演奏で、『バンザイ~好きでよかった~』『明日があるさ』『ガッツだぜ!!』など、名曲5曲を披露してくれた。
グランドフィナーレで新しい地図の3人が「雨あがりのステップ」を熱唱!
グランドフィナーレではステージに出演者が勢揃いし、全員でパラスポーツ応援曲『雨あがりのステップ』を大合唱。出演者と観客が幸せな時間を共有し、みんなの笑顔があふれる素晴らしい空間を創り出していた。香取さんは「東京2020パラリンピックまで、あっという間かもしれませんが、まだ283日もあります。来年の大会が盛り上がるように、皆さんが今日感じてくださった想いをおうちに持って帰り、一人でも多くの方にパラリンピックの素晴らしさを伝えていただけたら、来年のパラリンピックが大成功するんじゃないかなと。2020年以降、きっとパラリンピックの成功によって、この日本が新しく変われるチャンスだと僕は思っています。皆さんの力で一緒に盛り上げましょう!」と今後の展望を語り、3時間半に及ぶ華やかなフェスが幕を閉じた。
パラスポーツと音楽、文化、芸術を融合したエンターテインメントを通じて、あらゆる人が区別なく楽しめるようなアイデアと工夫で、共生社会のモデルを示したようなフェスだった。そして、応援の力がアスリートのパフォーマンスを何倍にも高めてくれることを実感。2020年東京パラリンピック、さらにその先まで、継続してパラスポーツの未来を一緒に盛り上げていくことの大切さが伝わってきた一日だった。
【クレジット】
<アーチェリー>
上山友裕、岡崎愛子
<5人制サッカー>
川村怜、寺西一
<パワーリフティング>
大堂秀樹、山本恵理
<ParaFes UNLOCK LIVE>
『Imagine』わたなべちひろ
『Don’t You Worry ‘bout a Thing』わたなべちひろ、ジョナタ・バストス、酒井響希
『ECHO』Little Glee Monster
『This is Me』Little Glee Monster、わたなべちひろ、ジョナタ・バストス、酒井響希
<SPECIAL LIVE>
『バンザイ ~好きでよかった~』『明日があるさ』『ええねん』『笑えれば』『ガッツだぜ!!』ウルフルズ
<グランドフィナーレ>
『雨あがりのステップ』稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾
text by Jun Nakazaw(Parasapo Lab)
photo by Parasapo