スパドラが障がい者のリアルに触れる!「あすチャレ!Academy」

スパドラが障がい者のリアルに触れる!「あすチャレ!Academy」
2018.05.23.WED 公開

先日、9人組ダンス&ボーカルユニット「SUPER★DRAGON(スーパードラゴン)」(以下、スパドラ)が、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)で開催された「あすチャレ!Academy(アカデミー)」に受講生として参加しました。

このアカデミーは、障がいを持つパラアスリートが講師となり、障がい者の“リアル”を知ることができる体験型のアカデミーとして定期的に開催されています。

「あすチャレ!Academy」とは?

「あすチャレ!Academy」は、パラリンピックやパラスポーツを題材に障がい者の“リアル”を当事者講師から聞き、学び、一緒に考えます。

知ることで、一人ひとりが気づき、考え、行動できるようになる。

障がいのある人も、ない人も、思いやり、支え合い、違いを受け入れて、よりよい社会を作るための第一歩を踏み出すダイバーシティセミナーです。

あすチャレ!Academyではタブーはない

今回、講師を務めたマクドナルド山本さんは最初に、スパドラメンバーに自身のニックネーム、「マックと呼んでください!」「今までなんとなく障がい者に聞けなかった疑問をアカデミー内で解決していってください。今日は遠慮はいりません。タブーもありません。」とざっくばらんに投げかけました。みんなが抱いていた疑問を聞きやすい雰囲気を作り出し、質問コーナーを設けるなど、今まで知らなかったマックのリアルがセミナー中に散りばめられていました。

マクドナルド山本恵理(マクドナルドやまもと・えり)さん

先天性の二分脊椎症で生まれつき足に障がいがある。2016年より体験会がきっかけで出会ったパラ・パワーリフティングを始め、2020年の東京パラリンピック出場を目指し、日々トレーニングに励んでいる。女子55kg級日本記録保持者。

マクドナルド山本さんの競技種目であるパラ・パワーリフティングは、上半身の力だけでバーベル(重りのついた棒)を持ち上げ、その重量記録を競うスポーツです。通常のパワーリフティングは、両足を地面につけ、上半身を大きく反って重いバーベルを持ち上げるのが一般的。

パラ・パワーリフティングでは、下半身に障がいがある人がおこないます。マクドナルド山本さん曰く、上半身の筋力がとても重要で、下肢を投げ出して競技を行うためベンチが通常よりも3倍ほど広くなっているんだそうです。

マクドナルド山本さんが専門競技についてクイズ形式で出題し、スパドラメンバーが当てるなど、場がほどよく温まったところで、今回のアカデミーの要となる、障がい者とのコミュニケーションについてのトークが始まります。これまで、障がい者の方と関わる機会は少なかったというスパドラのメンバー。「今日はタブーはありません。遠慮もいりません。」と話すマクドナルド山本さんに、真剣な眼差しを向けています。

駅の構内や道端で、困っている障がい者を見かけたときにどうサポートすればいいのかわからない、そもそも気軽に声をかけていいのかどうかわからない……という人も多いのではないでしょうか。

健常者が躊躇してしまうその状況に、マクドナルド山本さんは「障がい者と健常者の間には溝がある」と続けます。その溝は、私たちがほんのちょっと勇気を出して声をかけるだけで簡単に埋まるはず。さらに、障がい者への正しいサポート方法を知っておくだけで、今までできなかった障がい者とのコミュニケーションも当たり前にできるようになるのです。

体験してわかった初めての “気づき”

障がいやパラスポーツについての理解を深めたところで、障がいがある人とのコミュニケーションの取り方について、スパドラメンバーが実際に体験。駅の構内や道端で目の不自由な人から、道を尋ねられたときのサポート方法を、2人1組になって実践形式で学んでいきます。

はじめてのことに戸惑いの表情を浮かべながらも、「今から左に曲がりますね」などと優しく声をかけながら丁寧にサポートするメンバーの姿が印象的でした。

広々としたフロア全体を使って、交代しながら歩き回るメンバーたち。一人が「どこに行きますか?」と問いかけると、もう一人が「スターバックスに行きたいです」と答え、目的地のスターバックスまで案内します。

このやり取りを側で聞いていたマクドナルド山本さん。

実践を終えたメンバー全員が席に戻り、「目的地をスターバックスって答えたのは今回がはじめてです(笑)」と軽いツッコミを入れると、会場内は笑いに包まれます。

その後も、目的地に着いたあとにおこなうサポートの仕方について学んで行きます。

ここではカフェを例にあげ、椅子に座るまでの誘導の仕方を実践。マクドナルド山本さんによれば、座る椅子の形状をより細かく言葉で説明することが大切なのだと言います。

「30m先に、背もたれがついた木の椅子があります」「肘掛はありません」「両脇の席は空いています」というようにできるだけ細かく伝え、実際に感触を確かめてもらう。これにより、これから座ろうとしているイスがどんなものなのかを、自分で触って確かめることができるので、相手は安心できるそうです。

ほんの小さな「明日へのチャレンジ」が社会を豊かにする

穏やかなムードの中おこなわれたアカデミーも終盤に差し掛かり、ここで今回の「あすチャレ!Academy」を通して感じたこと、「明日から挑戦したいこと」についてメンバーに聞いてみることにしました。

メンバーから返ってきたのは、『社会を支えられる人になりたい』『まずは、ひと言声をかけてみたいと思う』『日常生活で気づかなかったことにもっと敏感になる』など、どれも前向きな言葉ばかり。今回のアカデミーを通して、それぞれに違った学びがあったようです。

また、アカデミーを通して得た気づきについては、『さまざまな障がいを抱えてスポーツに取り組んでいる人は本当に心から尊敬します。僕らは歌と音楽で勝負をしていますが、形は違えど目標に向かって頑張っている人の姿って本当に輝いて見えるし、僕もそういう存在でありたい。そんな気持ちを改めて感じることのできた貴重な経験でした』と語ってくれました。

最後に、講師を務めたマクドナルド山本さんは『障がい者と健常者の間にはまだまだ溝がある。でもそれは、健常者も障がい者もコミュニケーションを取りあって、お互いが一歩踏み出せば解消されます。』と話します。

ほんのちょっとした声かけと気遣いで、障がい者と健常者の間にある壁はなくなっていくのではないでしょうか。

text by Yui Watanabe

photo by Makoto Kikuchi

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