[ワールドチームカップ記者会見]日本代表の国枝、上地が優勝への想いを語る

[ワールドチームカップ記者会見]日本代表の国枝、上地が優勝への想いを語る
2016.05.03.TUE 公開

日本テニス協会は5月2日に日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)のステージで会見を開き、5月23日(月)から有明コロシアム・有明テニスの森公園で開催される「BNPパリバワールドチームカップ車いすテニス世界国別選手権」の大会概要を発表した。

記者会見には、日本代表選手の国枝慎吾、上地結衣が出席。また、BNPパリバ銀行の今井正之・東京支店長、日本テニス協会の川延尚弘氏、中澤吉裕日本代表監督も登壇した。会場に用意していた50の記者席が足りないほどの盛況ぶりで、日本が誇るトップアスリート2人のコメントに注目が集まった。

ワールドチームカップは1985年に始まった国別対抗の団体戦で、日本開催は初。男子、女子、クァード、ジュニアのカテゴリーがあり、それぞれで頂点を争う。今回は29ヵ国から52チーム、約160人の選手がエントリー。国の期待を背負う選手のプライドが、熱い戦いを加速させる。

中澤監督は、「男子は過去に2度優勝し、女子とクァードは昨年準優勝。日本のレベルはトップクラスにある。今年こそ各カテゴリーで優勝を目指したい。初出場のジュニア勢にとっても、応援が力になる。多くの方に会場に来てもらいたい」と期待を寄せた。

国枝「リオで金メダルの可能性を上げるために右ひじを手術」

右ひじ手術を告白も、回復に自信を見せる
右ひじ手術を告白も、回復に自信を見せる

「普段のツアーとは違う雰囲気の大会。今回は2020年のテストイベントにもなるので、例年以上に気合いが入る」と話すのは国枝。パラリンピック2連覇中で、今や「世界のクニエダ」として名を馳せる彼の日本代表デビューとなったのが、2003年のこの大会だった。「2番手ながら出場した単複で全勝し、初優勝に貢献できた」と振り返り、自身にとって思い出深い大会のひとつに挙げる。

今大会も活躍が期待される国枝だが、会見で4月に右ひじの手術を受けたことを明らかにした。昨年の全米オープン後に「違和感があった」ものの、そのまま今年1月の全豪オープンに出場。だが、自身初の1回戦負けを喫し、「リオで金メダルの可能性を少しでも上げるため」と覚悟を決め、内視鏡によるクリーニング手術に踏み切った。

4年前にも手術した右ひじ。前回は2月に手術し、5月のジャパンオープン(福岡)で復帰。その後、ロンドンパラリンピックではシングルスで見事優勝を果たした。今回は4月の手術でリオまでの調整期間も短くなるが、「前回はコップを持つのも痛いくらいだったが、今回はプレーできないほどではなかった」とし、回復に自信を見せている。ひじの状態を見ながらになるが、今月17日(火)から始まるジャパンオープン、そしてワールドチームカップにも「出場したい」としている。

上地「リオ前に、日本のダブルスのレベルを知るチャンス」

女子日本代表は1992年に初出場。2001年、2010年、2012年、2015年に準優勝している。16連覇中のオランダが立ちはだかるが、今回は地元開催の応援を力に変え、初制覇を狙う。そんなチームをけん引するのが、世界ランキング2位の上地結衣だ。勝利のカギは「ダブルスです」と上地。世界ツアーでは外国選手とペアを組むことが多いが、今大会は日本人同士の“国産ペア”だ。リオを見据える上でも、ダブルスの実力を把握する機会として重要な意味を持つという。

また、上地は中国とタイにも注目。普段のツアーにはあまり参戦しないが、実力を持った選手が多いからだ。両国の選手とはリオで対戦する可能性もあり、「ここしっかり観察しておきたい」と力強く語った。

テニスの聖地・有明で繰り広げられる世界最高のプレーの数々を、しっかりと目に焼き付けたい。

■大会概要

大会名称:BNPパリバワールドチームカップ車いすテニス世界国別選手権

開催期間:2016年5月23日(月)~28日(土)

会場:有明コロシアム・有明テニスの森公園(東京都江東区有明2‐2‐22)

主催:国際テニス連盟(ITF)、公益財団法人日本テニス協会(JTA)

出場数:29ヵ国、160人

観戦:無料

開場:10:00(試合開始10:30予定)

text by Miharu Araki
photo by TEAM A

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