「ParaFes 2018」パラスポーツの真剣勝負×アーティストの圧巻LIVEに6000人が熱狂!

「ParaFes 2018」パラスポーツの真剣勝負×アーティストの圧巻LIVEに6000人が熱狂!
2018.11.28.WED 公開

11月23日、武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナで行われた「ParaFes 2018~UNLOCK YOURSELF~」(パラフェス2018)。今回で3回目となる日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)主催の一大イベントに過去最高の6000人が来場。パラアスリートやアーティストに加え、オリンピアンやパラサポのスペシャルサポーターも登場し、前回よりもパワーアップした魅力あふれるステージを作り上げた。

東京2020パラリンピックに向けて、パラスポーツへの注目度の高まりを実感する中で行われた今年のパラフェス。入場チケットも発売後すぐに完売し、急きょライブビューイングも実施されるほどの人気ぶり。開演を待つ観客も、パラフェスのグラフィックをバックに記念撮影したり、サブアリーナで開催されていた「i enjoy ! パラスポーツパーク in ParaFes 2018」に参加したりしながら、期待に胸を躍らせていた。

会場は、東京パラリンピックで車いすバスケットボールが行われる予定のアリーナ
開演を前に期待が高まる
アリーナ席入口も開演を心待ちにする観客で溢れた

時刻は16時を回り、会場の照明が落とされ、オープンニングパフォーマンスが始まった。

登場したのはパラフェスダンサーズ。パラフェスのロゴが入った旗を大きく振りながらダイナミックに躍動した。

日本の伝統芸能と和をイメージした、メイクと衣装に身を包み登場したパラフェスダンサーズ
UNLOCKをテーマにしたパフォーマンスに会場も息を呑む 
 18人のパラフェスダンサーズが個性を生かし躍動した
オープニングパフォーマンスに続き、パラサポの山脇康会長が入場
続いて東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長、日本財団の笹川陽平会長が提灯を手に登場し、満員の会場に興奮しながら観客への感謝を述べた

国際パラリンピック委員会・アンドリュー・パーソンズ会長からのビデオメッセージが紹介されたあと、パラサポスペシャルサポーターの草彅剛さん、香取慎吾さんがステージに上がり開幕宣言をすると、会場のボルテージは一気に盛り上がった。

「パラフェス2018、開幕します!」パラサポスペシャルサポーターの草彅さん、香取さんがステージにサプライズ登場!

パラフェス史上初! 迫力の真剣勝負

フリーアナウンサーの平井理央さんが司会進行を務める中、香取さんは 「僕の知らないパラスポーツがここにあった」と、自身も興奮した様子でコメントし、会場を沸かせた

パラフェス2018が幕開けし、最初のステージは、まさに今年のテーマであるパラスポーツの「真剣勝負」。東京パラリンピックで正式競技に採用されたテコンドーから、パイオニアの伊藤力選手と若手期待の星である星野佑介選手が登場し、緊張感の漂う中で“ライバル対決”を繰り広げた。その勝負は、すさまじい蹴り合いの末、1点差で先輩格の伊藤選手に軍配。息を飲んで見守った観客は、盛大な拍手で両者を称えた。

互いを知り尽くした伊藤選手と星野選手による激しい攻防戦
 パラリンピックのテコンドーには、上肢障がいの選手が出場する
光と音を駆使してドラマティックに演出
伊藤選手とは別の階級で東京パラリンピックを目指す星野選手は「メダルを獲りたい」と力強く宣言した

続いては、パラフェス史上初! パラアスリートvsオリンピアンによる真剣勝負。パラ卓球の若きエース岩渕幸洋選手は、なんと卓球のリオ2016オリンピック銀メダリスト吉村真晴選手と対決することに。映像を駆使した演出もあり、練習のラリーから見る者の気持ちを高鳴らせた。

笑顔で登場した岩渕選手
対する吉村選手も笑顔で歓声に応える
岩渕選手は、両下肢に障がいがあり、左足のふんばりが効かない
吉村選手のプレーにも緊張感がみなぎる
変形卓球台を使用し、左サイドが広く感じるという岩渕選手とほぼ同等の条件で吉村選手は戦った
白熱の一戦は、序盤リードされていたオリンピアンの吉村選手が逆転勝利!

3試合目の車いすフェンシング対決では、車いすフェンシング界のプリンス・加納慎太郎選手と、ロンドン2012オリンピックのフェンシング銀メダリストである三宅諒選手がガチンコで剣を交え、観客の目はステージ上にくぎ付けになった。

決戦前のステージをプロジェクションマッピングの演出が華を添える
加納選手は気合い十分の入場パフォーマンス
車いすフェンシングは、両者の距離が近い
  閃光のようなスピードで剣が飛び交う
加納選手(写真右)は雄叫びやガッツポーズで観客を味方につけていく
「逃げられないし、パニックになった」と三宅選手(写真左)
草彅さん、香取さんとのかけ合いで、アスリートの魅力が引き出された

パラアスリートとオリンピアンの勝負は、互いに譲らず1勝1敗。競技の迫力はもちろんのこと、選手の強烈なキャラクターや力のある言葉も観客の記憶に残ったに違いない。

音楽界の超人たちが圧巻のパフォーマンスを披露

観客がパラスポーツの魅力を再発見したところで、続くはパラフェスの最大の特徴でもある「ParaFes UNLOCK LIVE」へ。第一回から連続出演している全盲のシンガーソングライター木下航志さんをはじめ、両腕のないアーティストのジョナタ・バストスさん、全盲のドラマーである酒井響希さんによる、ここでしか見ることができないスペシャルライブ。それぞれの演奏が終わると、人気アーティストのMay J.さんが登場! 木下さん、バストスさん、酒井さんとのコラボレーションでパワフルな歌声を響かせた。

心で聴く新感覚の響きを体感する「ブラインドコンサート」。観客はアイマスクを着用する
静まった会場に木下さんの繊細かつダイナミックな歌声とピアノが響いた。歌ったのは『明日に架ける橋』
リオ2016パラリンピックの閉会式で注目を浴びたバストスさん。『Just The Way You Are』を足でギター演奏し、会場からは自然に手拍子が沸く
圧巻のパフォーマンスを見せた昨年に引き続き、美しい音色で観客の心を打った
会場の空気を変えた、全盲のドラマー酒井さんは小学6年生。パラフェスは初出演
この日だけのスペシャルセッションでは、4人が『This Is Me』を披露
木下さん、バストスさん、酒井さんの力強い音に応えるように、May J.さんも全身全霊で歌い上げる
ステージ上では「UNLOCK LIVE」を披露した4人とのトークも展開された
「このまま皆でツアーを回りたい!」とMay J.さん
自身が出演する舞台終演後に駆け付けた稲垣さんも合流し、「到着したばかりだけど、もう感動しています」とコメント

クライマックスのSpecial Liveでは、人気シンガーソングライターの秦 基博さんが『アイ』、『鱗(うろこ)』『ひまわりの約束』の3曲を披露。

『ひまわりの約束』の演奏中に、出演者全員がステージに上がると、客席が黄色一色に染まり、会場はまさにひまわりが咲いたような光景に。

美しい歌声に会場が包まれる
 出演者全員で『ひまわりの約束』を大合唱

そして最後に、パラスポーツ応援ソング『雨あがりのステップ』が流れた瞬間、客席からこの日一番の歓声が沸き起こった。満を持してマイクを手にした、稲垣さん、草彅さん、香取さんの3人が同曲を歌い上げ、出演者と観客が一体となった。

パラスポーツではすっかりおなじみになった稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さん
野田聖子議員らも参加したフィナーレ
後方の席では立ちあがる観客も。ペンライトを揺らしながら、心をひとつにパラフェスを思う存分楽しんだ

「真剣勝負」がテーマとなった今年のパラフェス。スポーツに挑むアスリートの輝きとともに、音楽の力でパラリンピックを盛り上げたいと願うアーティストの思いが観客の胸を打った「ParaFes 2018」だった。


<真剣勝負!>
テコンドー 伊藤力 vs. 星野佑介
パラ卓球 岩渕幸洋 vs. 吉村真晴(オリンピアン)
車いすフェンシング 加納慎太郎 vs. 三宅諒 (オリンピアン)

<ParaFes UNLOCK LIVE>
『明日に架ける橋』木下航志
『Just The Way You Are』ジョナタ・バストス、酒井響希、May J.
『Isn’t She Lovely』木下航志、ジョナタ・バストス、酒井響希
『This Is Me』木下航志、ジョナタ・バストス、酒井響希、May J.

<SPECIAL LIVE>
『アイ』『鱗(うろこ)』『ひまわりの約束』秦 基博

<グランドフィナーレ>
『雨あがりのステップ』稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾

(※敬称略)

text by Asuka Senaga
photo by Hiroki Nishimura,X-1
「ParaFes 2018」パラスポーツの真剣勝負×アーティストの圧巻LIVEに6000人が熱狂!

『「ParaFes 2018」パラスポーツの真剣勝負×アーティストの圧巻LIVEに6000人が熱狂!』