関心ワードを検索したらブラインドサッカーの求人がヒットした! JBFA 高橋めぐみさん

関心ワードを検索したらブラインドサッカーの求人がヒットした! JBFA 高橋めぐみさん
2019.03.23.SAT 公開

平日は日本ブラインドサッカー協会のスタッフ、オフの土日はブラインドサッカーのクラブチームメンバーとして活動している高橋めぐみさん。“ブラインドサッカーを通じて自分が今いる場所をよりよくしたい”と語る高橋さんの現在につながる、学生時代のライフストーリーに迫りました。

《前編はこちらから》

<パラアスリートを支える女性たち Vol.04>
たかはし・めぐみ(26歳) 
NPO法人日本ブラインドサッカー協会 事業戦略部
ブラインドサッカーチーム「free bird mejirodai」代表

盲学校でのバイトをきっかけに“混ざり合う”社会に関心をもち始めて

━━高橋さんは今、公私ともにブラインドサッカーに携っていますが、いつどのようにして関心をもったのですか?

もともとスポーツが好きで、中高時代は硬式テニス部に所属して高3では部長も務めていました。高校でダブルスからシングルスに転向したとき、“ひとりでするスポーツはさみしい”と感じて、大学ではチームスポーツに関わりたいなと。サッカーを見るのが好きだったので、勧誘を受けたサッカー部に所属しマネージャーを担当しました。

ブラインドサッカーへの関心は、学生時代の経験も影響しているかもしれません。実は小学生から大学まで、リベラルアーツを掲げる一貫教育校に通っていたんです。給食を自分たちでつくったり、高校では寮生活も経験して、型にはまらない“自労自治”的な空気の中で過ごしてきました。そんな背景もあって、大学はより広い自分の土台づくりをする時期にしたいと考えていたんです。

そこで、大学でサッカー部のマネージャーをしながらネパールで教育実習や植林を行うワークキャンプ、盲学校の寄宿舎での見守り補助のバイト、福祉政策発祥の地であるデンマーク留学などを経験。盲学校のバイトでは視覚障がいをもつ生徒さんたちが普通に恋バナをしたり、見えなくても可愛い雑貨を好む様子を見て、“こんなにも私たちと同じなんだ!”と、ものすごく衝撃を受けました。デンマークの成人教育機関では、スポーツの授業を通じて障がい者が健常者と混ざり合う“みんなが助け合う社会”を体感。そこでスポーツのもつ力の強さを実感したことが、ブラインドサッカーとの出合いに大きく影響したのだと思います。

ネパールの子どもたちとの交流で幸福の価値観を見直したり、デンマークではスポーツの授業を通して違いをもつ人たちが個性を発揮できる社会を経験。

検索ワードは「サッカー、バイト、障がい者」

ブラインドサッカー協会の「バイト募集」を見つけたのは、留学から戻った大学3年の9月でした。何かアルバイトをしようと、そのとき自分が関心をもっていた「サッカー、バイト、障がい者」の3つのワードでネット検索をしたんです。すると、日本ブラインドサッカー協会のスタッフ募集がヒットした。 “これはまさに私にぴったりじゃないか!”と、バイトから始めました。

行ってみると、国際大会である「IBSA ブラインドサッカー世界選手権 2014」の準備を行うバイトだったのですが、私が任されたのはチケット販売業務。なんと、日本ブランドサッカー協会が主催する大会として“初のチケット有料化”という大きな目標を実現させるべく、上司の指示のもと、票券管理システム会社の人を始めさまざまな方にアドバイスや協力を受けながら、無我夢中で取り組みました。「ブラインドサッカーはお金を出して見る価値のあるもの。有料化は社会を変えるひとつのアクションになる」と、信念をもって業務を進める協会の姿勢も強く心に響きました。自分が今していることはただ単にシステムを打ち込む作業なのではなく、社会を変える目的をもつ意味ある仕事なのだと思えたのです。

さらに、インターン時代に事務局長の「自分のミッションを考えるワークショップ」を受けたことが、ここで働きたい気持ちをより強くしました。自分がもつ価値観を10個書き出し、そこからミッションステートメントを探っていくのです。四苦八苦しながら模索してたどり着いたのは「自分が属する場を、自分がいることでよりよくする」「“障がい”“障がい者”という言葉の必要のない社会を作り出す」「誰もが自由に楽しむことができる社会を作り出す」というミッションでした。これらは《ブラインドサッカーを通じて、視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を実現すること》という、協会の理念にも通じるものがあるのではと。自分が今、なぜこの仕事をしているのか。ビジョンや目標をもちながら働くことは人にとってとても大切なことだと感じ、後日上司に協会へ就職したい気持ちを伝えたのです。

余暇を大切にする文化をもつデンマークでの経験から「意志をもってのんびりする生活の重要性を心に留めておく」のも高橋さんのゆずれない価値観。

ブラインドサッカーを通じて“違いがあることを楽しむ”

━━現在に至る経緯は、高橋さんにとってごく自然なものだったんですね。クラブチームでの活動は現在どのように展開していますか。

チーム設立のきっかけは、盲学校の体育教師をしている友人と小学生時代からプレー経験をもつブラインドサッカー選手が、“子どもたちがブラインドサッカーをできる環境”をつくろうと思いたったことです。盲学校の生徒とOBによるチームで、メンバーは下は中学生から上は29歳まで。いちばん多い世代は中高生。練習は週に3回、平日夜と週末に行っています。平日は仕事が忙しくて行けないときもありますが、土日に行われる場合はほぼ皆勤しています。私、ブラインドサッカーが本当に好きなんですよ。

試合中はゴールネットの裏に立って、声を張ってガイド(※)をするのですが、シュートが入ったらすごくうれしいですし、選手ともより近くなれた気がしています。つい先日も、私が声を出した方向に選手がシュートを決めたことがあったんです。まるで声に向かって吸い込まれるように飛んで来たボールがきれいにゴール隅に決まって、ネットが揺れた瞬間「うわっ、すごくいいシュート!」とみんなで手を上げて喜び合いました。気持ちいいし、うれしかったですね。違いをもった人たちが、一緒に楽しむことができる瞬間の醍醐味。その楽しさを少しでも広げていくために、ガイドとして、協会スタッフとして、この先もずっとブラインドサッカーに関わり続けていきたいと思っています。

※ガイド(コーラー):ゴールの裏からゴールの位置と距離や角度などの情報を選手へ声で伝える役割。

ブラインドサッカーチーム「free bird mejirodai」は、選手、監督、高橋さん含めて総勢11名の精鋭。
「純粋にブラインドサッカーが大好きな人たちを増やしていきたいなと思って日々仕事に向き合っています」と高橋さん。

text by Mayumi Tanihata
photo by Yuki Maita(NOSTY)

NPO法人日本ブラインドサッカー協会
http://www.b-soccer.jp/


 

ブラインドサッカー男子日本代表公式戦
《IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2019》

日程:
2019年3月19(火)〜3月24日(日)
会場:品川区立天王洲公園
*大会公式サイトはこちら

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IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ2019
「みんなで行こうぜ。世界のテッペン。」

(動画提供:日本ブラインドサッカー協会)


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