日本財団パラリンピックサポートセンター

外国人が驚いた! 日本の街中の至るところにある、あのサインは一体、ナンですか?

外国人が驚いた! 日本の街中の至るところにある、あのサインは一体、ナンですか?
2019.05.21.TUE 公開
日本人にとってはいつもの見慣れた風景で、ほとんど街に溶け込んでしまっているが、外国人からすると日本には不思議な光景がいくつもあるという。その一つとして、著者の友人であるイギリス人の男性が教えてくれたのは、駅や街中のあらゆる場所で見かける “凸凹した黄色のサイン” 。それは視覚障がい者のサポートのために作られた、あの点字ブロックのことであった。これが一体なぜ、そんなに不思議なのだろうか? 

実は、点字ブロックは日本発祥!

冒頭の話は、彼とのこんな会話がきっかけだった。

「15年前に初めて日本に旅行で訪れた時、びっくりしたんだ。駅や道路の至る所に、黄色いブロックが延々と連なっているだろう? あまりにもいろんなところで見かけるから、ツアーの添乗員に『あれは、一体なんですか?』って質問したくらい。その時、点字ブロックの存在を知ってすごくユニークだったから、写真もたくさん撮った覚えがあるよ。ロンドンでは、2012年にパラリンピックがあったから、その時にだいぶ色々なバリアフリーが設置されて、今では結構見かけるようになったけど、以前はほどんどなかったんだ。どうして、日本には昔からこんなにあるんだろう?」

たしかに海外の街中では、日本ほどあの黄色い点字ブロックの印象が強くない。というのも実は点字ブロックは、1965年に岡山県の発明家が考案した日本発祥のアイデアなのだ。日本、そして世界で初めて点字ブロックが登場したのは、岡山県立岡山盲学校の近くの横断歩道に設置されたのが第一号だという。

点字ブロックのデザインは2種類。その違いは?

点字ブロックは、正式名称を「視覚障がい者誘導用ブロック」といって、ご存知のように視覚障がい者が安全に移動できるようにサポートするためのものだ。足裏の感覚や白杖で認識できるよう、表面は凸凹としているが、その突起には2種類あるのをご存知だろうか?

誘導ブロック(線状ブロック)

線が並んだ形状のこちらは、進行方向を示すブロック。視覚障がい者が突起の方向にしたがって進むことができようにデザインされている。

警告ブロック(点状ブロック)

危険箇所や誘導対象施設などの位置を示すブロック。階段前や横断歩道前、誘導ブロックが交差する分岐点、案内板の前、障害物の前、駅のホームの端などに設置されている。


海外の点字ブロックは、黄色ではない!?

日本が発明した点字ブロックは、徐々に各国にも普及されるようになったが、日本ほどの数はなく、駅や交差点など主要な箇所のみの場合が多い。
また、国によって独自のルールで製造、設置されており、国際的な統一性がないという問題点もある。例えば、日本のような目立つ黄色の点字ブロックは無いわけではないが、アスファルトや石畳など、道路に馴染みやすい色なども多いようだ。理由の一つとしては、町並みを重視する規定や歴史的な遺産の景観への配慮などが大きいが、弱視の人にとって識別が難しいというデメリットもある。

こうした状況において筑波大学医学医療系生活支援学研究室では、135か国・地域を調査し、75か国・地域での設置を確認。各国の設置の誤りなどを調査し、イスラエルやトルコなどをはじめ、アドバイスを求められた各国への指導や資料提供、現地視察などを行い、点字ブロックの正しい設置の普及に日々努めている。

日本のバリアフリーは最高レベル。でも心のバリアフリーは・・・

点字ブロックだけでなく、実は日本は「世界有数のバリアフリー推進国」と言われている。そう言われると、日本人としてなんだか誇らしい気持ちになるかもしれない。ところが、その充実したバリアフリーの影響もあってか、相対的に「心のバリアフリー」は低いと言われている日本。

海外はどうだろうか? 前述のイギリス人の友人によると、

「ヨーロッパで言うと、バリアフリーの整備がされていない場所がとても多いから、逆に周りの人がサポートしないと、彼らは本当に困ってしまうんだよ。だから、駅や街中で助けが必要そうな時は、ヘルプするのがあたり前になっているね。日本人は、障がい者に声をかけづらいという話をよく聞くけど、こっちだとサポートすることに躊躇なんかしていられないんだ」

と言う。確かに海外に比べると、日本は障がい者が一人でも行動しやすいエリアが多く、暮らしやすいのかもしれない。とはいえ、もちろん環境の不自由さがゼロになったわけではない。未だに当事者目線ではなく健常者だけの視点で設備を作ってしまったり、必ずしも適当ではない設置も見受けられる。

2020年には、待望のオリンピック・パラリンピックが東京で開催される。世界各国から様々な人が来日することもあり、インフラを正しくバリアフリー化することは急務だろう。それとともに、私たち一人ひとりがすぐにできることは、「心のバリアフリー」を行動に移すことだ。普段からもっと「何かサポートできることはないか?」と、少し意識することでも、その課題はいくつも見えてくるだろう。

インフラだけでなく「心のバリアフリー」も世界一になれたら、今度こそ心から日本が誇らしく思えるはずだ。


Text by Parasapo Lab
Photo by shutterstock
記事監修:筑波大学 徳田克己教授
参考資料:「視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)の設置ガイドラインの作成」/公益財団法人 国際交通安全学会
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