点字ブロックだけでなく、実は日本は「世界有数のバリアフリー推進国」と言われている。そう言われると、日本人としてなんだか誇らしい気持ちになるかもしれない。ところが、その充実したバリアフリーの影響もあってか、相対的に「心のバリアフリー」は低いと言われている日本。
海外はどうだろうか? 前述のイギリス人の友人によると、
「ヨーロッパで言うと、バリアフリーの整備がされていない場所がとても多いから、逆に周りの人がサポートしないと、彼らは本当に困ってしまうんだよ。だから、駅や街中で助けが必要そうな時は、ヘルプするのがあたり前になっているね。日本人は、障がい者に声をかけづらいという話をよく聞くけど、こっちだとサポートすることに躊躇なんかしていられないんだ」
と言う。確かに海外に比べると、日本は障がい者が一人でも行動しやすいエリアが多く、暮らしやすいのかもしれない。とはいえ、もちろん環境の不自由さがゼロになったわけではない。未だに当事者目線ではなく健常者だけの視点で設備を作ってしまったり、必ずしも適当ではない設置も見受けられる。
2020年には、待望のオリンピック・パラリンピックが東京で開催される。世界各国から様々な人が来日することもあり、インフラを正しくバリアフリー化することは急務だろう。それとともに、私たち一人ひとりがすぐにできることは、「心のバリアフリー」を行動に移すことだ。普段からもっと「何かサポートできることはないか?」と、少し意識することでも、その課題はいくつも見えてくるだろう。
インフラだけでなく「心のバリアフリー」も世界一になれたら、今度こそ心から日本が誇らしく思えるはずだ。