日本財団パラリンピックサポートセンター

ストイックだけど孤独じゃない。「モノ」と「人」が支えるパラトライアスロンの魅力に迫る!

ストイックだけど孤独じゃない。「モノ」と「人」が支えるパラトライアスロンの魅力に迫る!
2021.07.07.WED 公開

「パラトライアスロン」って、どんなスポーツ?

簡単に言うと・・・

①スイム、バイク、ラン、いずれもオリンピックのトライアスロンの半分の距離

②視覚障がいのある選手は、ガイドと共に競技する

③障がいに応じて、バイクの改良が認められている

④種目の切り替え時の着替えや補装具の着脱時間もタイムに含まれる

スイム(水泳)、バイク(自転車)、ラン(長距離走)を休むことなく続けざまに行い、その合計タイムで競い合うトライアスロンは、「鉄人レース」と称されるスポーツ界きってのハードな競技だ。パラトライアスロンも3種目を行う点では同じだが、距離はオリンピックの半分(スイム750m、バイク20㎞、ラン5㎞)。競技は、大きく分けて下肢に障がいがあり車いすを利用する座位クラス、上下肢の切断や機能障がいによる肢体不自由が対象となる立位クラス、視覚障がいクラスに分かれて行われる。

パラトライアスロンは、腕の力だけで泳ぐ、両手でバイクを漕ぐ、義足で走るなど、それぞれの障がいの特性に合わせた競技スタイルが目を引くが、彼らはひとりで戦っているのではない。コーチやトレーナーはもちろん、伴走するガイドや機材への乗り換えを手伝うハンドラー、補装具の改良に携わる技術者など、多くの人に支えられている。過酷なレースに果敢に挑めるのは、彼らの存在も大きいのだ。

ココに注目!観戦が面白くなるポイントは?

(写真はリオ2016パラリンピック)ⓒGetty Images Sport

①多彩な競技スタイルは「モノ」に支えられている

障がいのある人がレースに挑むには、物理的な困難がある。それを可能にするのが、競技用車いすやバイク、義足など技術的な改良を加えた「モノ」であり、それを作る技術者や職人の熱意だ。

たとえば、下肢に障がいがある選手は、競技用の車いすや手で漕ぐハンドサイクルを使用する。また、バイクは義足でも踏みやすいように改良が認められている。手に障がいのある選手は片手でブレーキを作動できるようにしたりと、障がいに合わせた「モノ」の工夫が大きく貢献しているのだ。ほかにも着脱しやすい義足など、いろいろなシーンで工夫が施された用具が目に留まることだろう。独自に改良された用具で、より動作がスムーズになればタイムが縮まる。障がいの特性に合わせてカスタマイズされた「モノ」を、上手く使いこなすことが、勝敗のカギを握ると言っても過言ではないのだ。

②視覚障がいのある選手には常に寄り添う無二の相棒が!

視覚障がいクラスでは、選手は3つの種目すべてにおいてガイドとともに競技するのがルール。ガイドは選手の目となりコース状況や位置を知らせ、安全に競技を進行するサポート役だ。スイムでは選手の横を泳ぎ、バイクではタンデム(2人乗りの自転車)を使い、ガイドが前、選手が後ろに座る。ランのときは選手とガイドはロープでつながってペースを合わせて走る。日頃から練習をともにし、かたい絆で結ばれた相棒同士による息のぴったり合ったパフォーマンスに注目だ。

③種目の切り替え時のチームワークが見事!

次の種目に移るための準備時間(トランジション)は競技タイムに含まれるため、第4のパートとも呼ばれるほど重要だ。ウェットスーツの着替え、補装具の着脱、バイクや車いすへの乗り換えなどを、障がいのある選手がひとりですべて行うのは難しいため、ハンドラーと呼ばれるサポート役が手伝う。ここで時間短縮ができるとアドバンテージになるので、トランジションの練習もハンドラーとともに繰り返し行って万全の体制で臨む。舞台の早替わりさながらの連携プレーをお見逃しなく!

東京2020パラリンピックもトライアスロンに注目!

(写真はワールドトライアスロンパラシリーズ(2021/横浜))ⓒX-1

パラトライアスロンの選手は、パラ水泳やパラ陸上から転向するケースも多く、有望な選手がそろっている。前回のリオパラリンピックで6位入賞を果たした秦由加子選手をはじめ、ワールドカップ大会で3年連続でメダルを獲得している谷真海選手、ITUパラトライアスロンランキング世界4位(*)の宇田秀生選手など、メダルへの期待もふくらむ。

自分の限界を超えるべく、障がいをものともせず猛然と突き進む鉄人たち。そんな彼らのパワーを存分に感じながら、大きな声援を送ろう!
*PTS4クラス・男子 2021年6月28日現在

パラトライアスロンの種目、クラス分けが書かれたページはこちら
https://www.parasapo.tokyo/sports/triathlon

                                        

text by Makiko Yasui(Parasapo Lab)
photo by Getty Images Sport

参考資料
『かんたん!パラトライアスロンガイド』(外部サイト:日本障がい者スポーツ協会)
https://www.jsad.or.jp/about/referenceroom_data/competition-guide_11.pdf

ストイックだけど孤独じゃない。「モノ」と「人」が支えるパラトライアスロンの魅力に迫る!

『ストイックだけど孤独じゃない。「モノ」と「人」が支えるパラトライアスロンの魅力に迫る!』