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Sports /競技を知る
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【冬季パラ競技に挑戦】元アルペンスキーヤー戸田雄也、初めてのチェアスキー~後編~
学生時代、ナショナルチーム入りを目指すアルペンスキーヤーだったパラアスリート戸田雄也。引退後、車いす生活に。雪上から遠ざかっていたが、「家族でスキーをするぞ」と一念発起し、パラアルペンスキーに挑戦することになった。指導役は、パラリンピアンの夏目堅司さん。さらにオリンピアンの上野眞奈美さんも助っ人として登場! パラサポWEBによる密着取材の後編をお送りする。
【前編はコチラ】
元アルペンスキーヤー戸田雄也、15年ぶりに雪上へ
▶https://www.parasapo.tokyo/topics/65883
ここで、少し不安そうな戸田に明るい声が響いた。「雄也センパーイ! お久しぶりです。もう20年ぶり!」というなり、ぎゅっとハグ。ソチオリンピックのフリースタイルスキー日本代表・上野眞奈美さんだ。法政大スキー部では戸田の一つ下の後輩。現在は野沢温泉村でアウトドアショップを運営している。

いまは3児の母である上野さんは、法政大スキー部女子選手の草分け的存在だ。大学時代の戸田についてこう振り返る。
いよいよ雪上2日目のレッスンがスタート! まず平らな場所でリフトを乗る練習から始めた。アウトリガーのツメを立てて、体を少し浮かしながら、チェアスキーの右側にあるレバーを上げると、シートが浮き上がる。リフトにはシートが浮き上がった状態で乗るため、リフトが流れてくる間にこの一連の動きを行わなければならない。


無事リフトに乗れた! 思わず歓喜のサムアップ!

オリンピアンと一緒に滑降
そしていよいよゲレンデ初滑降! 1本目の上部では上野さんがロープでチェアスキーを引っ張り、スピードをコントロールしながら直下降で滑った。さすがのバランス力で転倒なし!

直下降は、夏目さんからも「いいね!」というお墨つきが出て、続いてカービング(スキー板のエッジを雪面に食い込ませて鋭くターンするテクニック)にトライすることに。1カーブずつ下っていくが、やはり何度も転倒してしまう。

2本目の序盤は直下降。早くも安定した滑り! 表情も落ち着いている。

そして少し下った後、勇気あるカービングに出た! ぎゅーんと急カーブして、弾丸のように突き進み…………しかし、無念……コントロールしきれず、またコケた。
さらに2本目の途中からは、つかんだコツを生かし、緩やかにカービングしながら滑降した。滑り終えたところで、今回のレッスンは終了!

初めてのチェアスキー体験、終了!
■体験した人:戸田雄也(とだ・ゆうや)
1982年、北海道・枝幸町生まれ。26歳の時に新婚旅行先のハワイで突然足が動かなくなり、車いす生活に。カーリングのオリンピアン、本橋麻里選手に声をかけられたのがきっかけでパラスポーツに出会う。地元・北海道で車いすカーリングに打ち込んだ後、東京パラリンピック開催決定をきっかけにパラ・パワーリフティングを本格的に始め、国内外の試合に出場している。北海道庁所属。2021年4月より日本財団パラスポーツサポートセンターへ出向中。▷プロフィールページはこちら
text by TEAM A
photo by Hiroaki Yoda
Cooperation by Goldwin,FISCHER






