高校生の夏!ふたりのパラアスリートにインタビュー

高校生の夏!ふたりのパラアスリートにインタビュー
2018.08.22.WED 公開

記録的な猛暑が続いた2018年の夏。パラスポーツに取り組む高校生はどんな夏を過ごしたのだろうか。ふたりのアスリートに今年の夏を振り返ってもらった。

ウィルチェアーラグビー橋本勝也、もっと強くなると誓った夏。

「今までの夏休みのなかでいちばん充実していたと思います」
中学時代に出会ったウィルチェアーラグビーで、今年から日本代表として国際試合を戦う高校一年生の橋本勝也はニカっと笑った。

8月、ウィルチェアーラグビー世界選手権に初出場した

オーストラリア・シドニーで行われた世界選手権に日本代表として出場した。代表選手最年少の16歳。リオパラリンピック金メダルチームであるオーストラリアとの試合ではスピードに乗るあまり、車いすごと何度も転倒した。日本が初の世界一を勝ち取った決勝こそ出番はなかったが、世界のトップ選手が闘志むき出しで削り合うガチンコ勝負を目の当たりにしたことで、2年後の夏は「日本代表として東京パラリンピックに出場したい」と目標をより明確なものにした。

日本が優勝したニュースを知った同級生から「おめでとう!」のメッセージも相次いだ。

「僕は主力ではなく、経験のために連れて行ってもらっただけ。でも、中学と高校の友だちや地元の人たちから応援してもらえるのは素直にうれしいです」

その世界選手権には高校の宿題も持って行ったというが、「あまり進みませんでした(笑)」。

スイカにかぶりつく橋本勝也

「夏休みは普段よりも集中してラグビーに取り組めるので……。この先の高校生活も、ラグビー漬けの夏を送ることができればいいですね」

ウィルチェアーラグビーが好き。その熱い気持ちが橋本の原動力だ。

橋本勝也(はしもと・かつや)|ウィルチェアーラグビー
2002年、福島県生まれ。先天性の四肢欠損。TOHOKU STORMERS所属。この8月に世界選手権で初めて世界一に輝いたウィルチェアーラグビー日本代表のメンバー。障がい別のクラスは最も障がいの軽い3.5クラス。

ブラインドサッカー菊島宙、楽しみは女子同士のおしゃべり!

いつも笑顔が印象的な高校一年生の菊島宙は、ブラインドサッカー女子日本代表のエースだ。クラブチームは埼玉T.Wingsに所属し、6月から7月にかけて行われた日本選手権では、12得点を挙げて2年連続の得点王に輝いた。

ブラインドサッカー日本選手権でシュートを量産した

東京2020パラリンピックのブラインドサッカーは男子のみの実施が決まっており、女子は出場できないが、いつの日か大舞台でプレーすることを目指して、盲学校で高校生活を送りながら日々ボールを追いかける。

練習後はアイスやシュークリームなどのスイーツでエネルギー補給するという菊島の夏は、女子代表の強化練習やブラインドサッカー普及のためのキッズキャンプで大忙しだったようだが……。

かき氷を手に笑顔の菊島宙

「家族で長瀞に行き、石畳を歩いたのが夏休みの思い出かな。かき氷や名物のわらじカツももちろん食べましたよ」

盲学校では様々なブラインドスポーツを行う「スポーツ部」に所属し、夏休みも部活のために盲学校に通った。自宅から一時間ほどの電車通学は「すごく大変!」と苦笑いするが、「帰りの電車の中で、みんなと他愛もないおしゃべりをするのが楽しい時間」と声を弾ませる。

足首に着けているミサンガは夏休みに自作した。「来年はUSJに行きたいな」と日焼けした顔に充実感をのぞかせた。

菊島宙(きくしま・そら)|ブラインドサッカー
2002年、東京都生まれ。生まれつき視覚障がいがあり、弱視。小学2年からサッカーを始め、中学でブラインドサッカーのクラブチーム埼玉T.Wingsに加入。2017年に行われた「IBSA女子ブラインドサッカートーナメント」日本代表。

将来を嘱望され、世界の舞台で輝くために毎日トレーニングに励むふたりにとって収穫の多い夏になったようだ。

text by Asuka Senaga
photo by X-1

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