日本財団パラリンピックサポートセンター

アジアパラ取材カメラマン厳選! 大会の魅力を凝縮した“この一枚”

アジアパラ取材カメラマン厳選! 大会の魅力を凝縮した“この一枚”
2018.10.25.THU 公開

8日間にわたり熱戦が繰り広げられたインドネシア2018アジアパラ競技大会。パラスポーツを取材するフォトグラファーは、現場でどんなシーンに出会い、何に心を揺さぶられたのだろうか。それぞれが切り取った”一枚”とともに紹介したい。


小川和行 撮影

ゴールボール 女子アジア制覇の立役者 欠端瑛子

©Kazuyuki Ogawa

 初めてパラリンピックを取材したのが、2012年のロンドン大会。なかでも印象に残っているのが、金メダルに輝いたゴールボール女子日本代表だった。健常の競技にはない、パラスポーツ特有のゴールボールとあって、どんな画を写真に収められるか初めは想像もつかなかった。日本の快進撃のなかで“音がない世界”を一枚の写真でどう表現しようか、試行錯誤したのを今でも覚えている。そして、迎えたアジアパラ。チームは国際総合大会でロンドン以来の金メダルを獲得した。当時は出場機会が少なかった欠端瑛子がチームの重要な得点源。威力のある回転投げを磨き、成長した欠端を一枚の写真に収めた。
 実は会場は普段はスポーツを行わない宴会場。あたりは暗く、難しい撮影だったからこそ、この瞬間を収めようと必死だった。


鰐部春雄 撮影

陸上競技 負けず嫌いの若手ホープ 外山愛美

©Haruo Wanibe

 T20(知的障がい)のホープ外山愛美は、女子400mに出場した。右手の甲に「150%出し切る!」と書いて走った予選は、ぶっちぎりの一位通過。翌日の決勝、マジックで大きく記された言葉は「さいごの意地」。大きな不安を打ち消そうと、こう書いたのだろうか。想像を巡らせ、カメラを持つ手に自然と力が入った。
 しかし、スタート後、トップを行く選手の背中は外山からぐんぐん遠くなっていく。結果は、銀メダル。悔しさのあまりトラックにひざをつき、頭を抱え込んでいた彼女だったが、必死に気持ちを切り替えて再び立ち上がった。そして、一瞬、笑顔をつくったものの、やはり悔しさは隠せなかったようだ。次への糧になるだろう悔し涙の場面を切り取った。


伊藤真吾 撮影

シッティングバレーボール イランの巨人 モルテザ・メヘルザード

©X-1

 身長246cm。絶対的な高さを武器にする選手がいる。イランのモルテザ・メヘルザードだ。コートでも抜群の存在感を放つ彼が、アジアチャンピオンの座をかけた中国との決勝で繰り出した“サーブブロック”に、撮影をしていて鳥肌が立った。サーブをブロックすることが認められているシッティングバレーボールにおいて、「叩き落とす」という表現がこれほどまでに当てはまるブロックを初めて見たからだ。
 2016年のリオパラリンピックで男子イラン代表チーム金メダル獲得の立役者となり、世界にその名を轟かせたメヘルザード。アジアパラでイランを優勝に導いた圧倒的なパフォーマンスを、2020年の東京パラリンピックでもぜひ目撃したい。


次の国際総合大会は、東京2020パラリンピックだ。すべては勝利のために――今この瞬間もトレーニングに励む、アスリートたちのどんな瞬間を目にすることができるか。今から楽しみでならない。

edited by Asuka Senaga

アジアパラ取材カメラマン厳選! 大会の魅力を凝縮した“この一枚”

『アジアパラ取材カメラマン厳選! 大会の魅力を凝縮した“この一枚”』