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東京パラ内定の竹守彪が圧巻の単複2冠~パラFIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2021~

東京パラ内定の竹守彪が圧巻の単複2冠~パラFIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2021~
2021.06.15.TUE 公開

6月12日と13日の2日間、神奈川県立スポーツセンターで知的障がい者卓球の男女シングルスとダブルスの日本一をかけて争う「パラFIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2021」が行われた。パラリンピックではクラス11にあたる知的障がい卓球の、いわゆる全日本大会だ。

シングルスの男子ベスト12と女子ベスト8は、12月に同会場で行われるパラFIDジャパン・チャンピオンリーグへの出場権を得られるとあって、例年約170名の選手が一堂に集うが、今年は新型コロナウイルスの影響でエントリー数も少なく、出場したのは男子57人、女子16人。体育館に並んだ卓球台20台が試合で埋まるいつもの光景はなかった。

73選手が出場したパラFIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2021

東京パラリンピック日本代表が切磋琢磨

そんな中、大会直前に選手たちを刺激する明るいニュースが飛び込んできた。6月5日までスロベニアで行われていた東京パラリンピックの世界最終予選で日本の加藤耕也が優勝し、東京2020パラリンピック日本代表内定を勝ち取ったのだ。

日本は5年前のリオパラリンピックに竹守彪、伊藤槙紀の2人を派遣した。自国開催の東京大会に向けてより多くの選手をパラリンピックに送り出そうと強化に力を注いだ結果、昨年6月に男子の竹守、浅野俊、女子の古川佳奈美が世界ランキングにより東京パラリンピック出場権を獲得。日本はさらにバイパルタイト(招待枠)で出場枠を得る可能性を残しているが、知的障がいクラスだけで4枠を手にしたことになる。

日本代表の仲間は海外から帰国したばかりで今大会を欠場。プレッシャーが集まる中で戦った

最終予選では、加藤がフルセットで韓国選手を下して勝利したが、日本でライブ配信を見ていたという竹守はこの戦いぶりに刺激を受けて「チャンピオンシップで優勝したい」と力をもらったという。

そして、大会では、見事に5年ぶりの単複2冠を達成した。とくに、主戦場のシングルスでは、1セットも落とさずに5度目の制覇を成し遂げた。

ダブルスでもペアの島根をリードして優勝した

進化するオールラウンダーの竹守

決勝戦では、カットを主体にゲームを組み立てる原一に対して、得意のフォアドライブで攻め立てた。進化を見せたのは、苦手としていたバックハンド。竹守は、試合後に「どうしてもフォアハンドドライブに頼り過ぎて(台から)下がってしまう場面が多いけど、今回は下がらずに前で前でという気持ちを持っていたし(下がってバックハンドの対応が)ロビング(になる状況)までは行かないようにしたので、下がらなかったことで、自信になっています」と話した。

フォアハンドを得意とする竹守。台から下がらず「前で前でという気持ちで」臨んだという

2セット目の序盤には、相手のカットを強引に攻めることなく丁寧にバックハンドで返してチャンスを待つなど、攻撃一辺倒ではない試合展開で、相手につけ入る隙を与えなかった。

石川貴陽監督が「甘いレシーブになったり、相手がカットマンだからと思ってゆっくり入ってしまって思い切り攻められてしまったりしていたので、先に自分がレシーブからドライブをするようにしていた」と話したとおり、1、2セットは、つなぎ球をカウンターで狙われる場面もあったが、第3セットは積極的に主導権を握りに行き、相手が戸惑う中でペースアップ。強気のドライブで10連続得点と一気に突き放し、1点を失ったものの11-1で押し切ってみせた。

竹守は「5年ぶりの2冠を取れたことは、自信になりました。最終予選に出た加藤(耕也)選手や浅野(俊)選手がいない中で、ちょっと(勝たなければいけない)プレッシャーもあったけど、自分のプレーをやり抜くことしか考えていなかった。本当に優勝できて嬉しい」と喜んだが、目標は、まだ先にある。「東京パラリンピックの舞台が待っているので、今、この優勝を取ったことで終わりではなく、始まりだと思う。東京パラリンピックでは、メダルを目指す目標を持って、格上の選手にも勝って、(最も高い目標として)優勝したいなという思いもあります」と大舞台に目を向けた。

竹守は報道陣の質問に丁寧に答える

女子はカットマンの山口が2連覇!

女子は、山口美也が、2連覇を果たした。準決勝では、芹澤瑠菜と熱戦を展開。キレのある強打とドライブで攻める芹澤に対し、カットで粘り強く対応した。第5セットでは、9-10でマッチポイントを握られるピンチを迎えたが、強気の3球目攻撃で同点に追いつき、最後は相手のミスを誘って競り勝った。

決勝は国際大会経験もある櫨山と対戦

決勝戦では、カットに強弱をつけて櫨山七菜子を翻弄。櫨山も第2セット終盤は連続得点で意地を見せたが、ドライブのミスが続く展開はなかなか変わらず、第3セットは、11-2のワンサイド。山口がストレートで勝利を物にした。山口は「準決勝は、気持ちとの戦い。とにかく(自分は)カットマンなので粘って勝とうと考えていました。まさか2連覇になるなんて思っていなくて、すごくビックリしました」と快挙を喜んだ。

連覇の要因は、攻守両面の進化。福嶌孝基監督は「(カットを)切ったり、切らなかったりという練習をしてきました。最後の決勝では(相手がドライブを)オーバーミスをしたり、ネットに引っかかったりしていましたが、そういう球の回転の操作をだいぶできるようになり、相手のミスを誘うことができた。今日良かった点は、スマッシュ。昨年の大会ではそんなに打てなかったが、チャンスボールが来た場合はスマッシュで得点を取るという戦法が上手くできた」と称えた。カット戦法は、守っているだけに見えがちだが、その中に隠された工夫で勝利を手繰り寄せた。

2連覇を達成した山口はカットで粘り強く戦う

なお、男子ダブルスは、千葉県松戸市にある同じ卓球クラブで出場した竹守と島根大貴のペアが優勝。決勝戦では、小島雄史と竹田隆のペアに3-0で勝った。竹守がすべてのサーブ場面でサインを出して終始優位に試合を展開。最後は、島根が得意のフォアハンドでドライブを決めて勝利をつかんだ。

女子ダブルスは、1組欠場で3組による総当たりとなった予選リーグで太田歩美、和田なつき組が2勝して1位となった。

【パラFIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2021】

男子シングルス
1位:竹守彪 2位:原一 3位:髙橋利也

女子シングルス
2位:山口美也 2位:櫨山七菜子 3位:芹澤瑠菜

上位選手はパラFIDジャパン・チャンピオンリーグへの出場権を得た

text by TEAM A
photo by X-1

東京パラ内定の竹守彪が圧巻の単複2冠~パラFIDジャパン・チャンピオンシップ卓球大会2021~

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