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衝撃! 世界のトップアスリートが激しくぶつかりあう「殺人球技」とは?

衝撃! 世界のトップアスリートが激しくぶつかりあう「殺人球技」とは?
2019.02.14.THU 公開
「殺人球技(=マーダーボール)」と呼ばれるスポーツを聞いたことがあるだろうか? 字面だけでもなんとも恐ろしそうだが、正式には「ウィルチェアーラグビー」と言って、なんと四肢に障がいのある車いすのアスリートたちが信じがたいほど激しくぶつかり合うプレーをするという、今話題のスポーツだ。
しかも2020年の東京パラリンピックでは、金メダルも期待されているという競技。今回は、その想像を絶する迫力で「殺人球技」とさえ言われる「ウィルチェアーラグビー」の魅力について紹介しよう。

殺人球技(=マーダーボール)と言われるそのワケは?

実際「ウィルチェアーラグビー」は、どれだけ激しいスポーツなのか?

その迫力を体感すべく、筆者も競技用車いすに乗ってトッププレイヤーに思いきりタックルをしてもらった経験があるが、その衝撃たるや、激しい体当たりに車いすが跳ね上がるほど! 車体が大きいゴーカートでならまだしも、相手との距離も近い車いすで、全力で衝突されるのは正直かなりの恐怖感であった。しかも試合中は、これが日常茶飯事である。初めて試合を観戦した時は、車いすでこんなに激しいプレーをして大丈夫なのだろうかと心配になったが、同時にこれまでの車いすのイメージがガラリと変わったのも事実だ。ちなみに、ウィルチェアラグビーの体験会では、もちろん転倒するほど激しくはぶつからないのでご安心を。

1:「激しいタックル」が許された唯一の車いす競技

競技には、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、アイスホッケー等の要素が組み合わさっているが、競技用の頑丈な車いすに乗って、選手が激しくぶつかり合うシーンはまさにラグビーそのもの。ハラハラしながらも、観客を圧倒させるそのパワーは、ウィルチェアーラグビー最大の見どころだ。

2:なんと車いすが「ひっくり返る」こともある

激しくスピーディなディフェンスによって、時には車いすが転倒してしまうことも。選手が床に倒れてしまった際は、チームスタッフがコートに入り、素早く選手を起こしてサポートをする。

3:激しさのあまり「タイヤがパンク」することも!

試合中の激しい攻防戦や細かくスピーディなチェアワークによって、タイヤはかなり消耗される。そのためパンクすることも多く、ベンチではタイヤ交換を行うメカニックスタッフが控えているのが常だ。ちなみに、交換時間は1分以内と決まっている。

4:攻撃型と守備型に改造された、「装甲車」のような車いす

通称「ラグ車」と呼ばれる競技用車いすは、激しいぶつかり合いに耐え抜くよう造りはかなり頑丈だ。攻撃陣と守備陣によって車いすの仕様が異なるが、どちらも機敏に動けるようタイヤはハの字型でスポークカバーが側面に装着されている。選手は滑り止めのついた手袋を付けているのだが、握力のない選手はこのスポークカバーの面を押して漕いでいるのだ。

攻撃型

photo by X-1
主に障がいの程度が軽い選手が使用する攻撃型の車いす。丸みを帯びたコンパクトな形状で、小回りが利くようになっているのが特徴だ。

守備型

photo by X-1
こちらが、守備陣となる障がいの程度が重い選手が使用する車いす。飛び出したバンパーは、相手選手の車いすを引っ掛けることで「壁」となり相手の動きを封じ込める役割がある。

知っておくとさらに面白い!独自のルールとプレー


攻防に大きく影響するポイント制度

1チームは最大12名で編成され、コート上には4名が出場できるが、ここで考慮しなければならないのが、独自のポイント制度だ。ポイント制度とは、四肢の障がいの程度によって各選手に持ち点(※)が設定されているのだが、コート上4名の合計点が8点以内になるようにチームを編成しなければならない。選手交代に回数制限はないが、選手の組み合わせも勝利への大きなカギとなる。

※持ち点:最小0.5点から最大3.5点まであり、障がいが軽いほど点数が高く、重いほど点数が低くなる。点数は、筋力テスト、体感機能テスト、動作機能テスト、競技観察を実施し、決定される。

「かなり激しい」のに、男女混合OK!

また、同じチーム内で男女の区別なくプレーできるのもウィルチェアーラグビーのユニークな点だ。格闘技さながらの激しさゆえ女性選手自体が少ないが、女性選手が参加するとその活躍に盛り上がるのはもちろん、ポイント制度にもメリットがある。合計点に0.5点の追加ポイントが許可され、合計8.5点になることでチーム編成にも大きく貢献するのだ。

障がいの重い選手が、軽い選手を封じ込めるビッグプレーも!

試合では、主に障がいの軽い選手が攻撃陣となり得点をあげるが、勝負の命運を握るのが、その裏で活躍する障がいの重い選手による巧妙なディフェンスだ。特に、ディフェンス陣が相手チームのハイポインターを封じ込めるプレーはビッグプレーとして、会場が盛り上がる見どころの一つとなっている。

2020年の東京パラリンピックで、日本は金メダル候補!

2016年のリオパラリンピックでは、銅メダルを獲得した日本。その後も、「GIO 2018 IWRF ウィルチェアーラグビー世界選手権」で優勝を果たし、日本代表の池崎大輔選手がMVPに選ばれるなど、その目覚ましい活躍ぶりに、昨今、注目度は急上昇中だ。
一度観戦するとその魅力の虜になる人も多いという「ウィルチェアラグビー」。2020年の東京パラリンピックでは、悲願の金メダルを狙う日本チームをぜひ応援しよう!

ウィルチェアラグビーを実際に観戦してみよう! 国内大会のスケジュールはこちら ↓ ↓ ↓


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マーダーボールと呼ばれるきっかけとなったと言われているドキュメンタリー映画「マーダーボール」も必見! ウィルチェアラグビーで世界の頂点を目指す、選手たちのリアルな生き様が最高にカッコイイ。

text by Parasapo Lab
photo by Getty Images

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