村岡桃佳 冬季パラ日本史上最年少 金メダリストの強さ。スキーが楽しいから勝てる/平昌パラリンピック

村岡桃佳 冬季パラ日本史上最年少 金メダリストの強さ。スキーが楽しいから勝てる/平昌パラリンピック
2018.03.15.THU 公開

14日のアルペンスキーの大回転(女子座位)で村岡桃佳(LW10-2)が、今大会日本チーム第一号となる金メダルを獲得した。

冷静なコース取りが金メダルにつながった © Getty Images Sport

プレッシャーを跳ねのけて

1回目の滑走でトップに躍り出た。2位のオランダ選手に1秒40差、ライバルのアナ・シャフェルフーバー(ドイツ)に3秒95差をつけたものの、「ひとつのミスで抜かれるタイム差」。重圧と対峙しながら挑んだ2本目。「緊張はしていたけれど、スタートしてコースのポイントとなるところを冷静に分析できている自分がいた」という。2本の合計タイム2分26秒53でフィニッシュラインを踏み、本命種目で金メダルを手中に収めた。

村岡は、ここまで滑降で銀、スーパー大回転とスーパーコンビでそれぞれ銅メダルを獲得しており、4個目のメダル獲得になる。21歳での金メダル獲得は冬季パラリンピックの日本選手としては史上最年少。

「レース直後のセレモニーで、周りの海外選手みたいに、自分の名前呼ばれた瞬間に『やったー!』と叫んだんですけど、日本から応援に来てくれた皆さんの歓声が大きすぎて。完全に負けちゃいました!」
と笑いながら喜びをにじませた。

持ち味のカービンターンも。より速く滑るためのマテリアルも。強豪ひしめく男子座位のトップで活躍する先輩たちをお手本にし、スポンジのように吸収してきた。多くの協力者や家族に支えられた。

表彰台の真ん中に村岡の笑顔が咲いた © Getty Images Sport

金メダルにつながった楽しむ気持ち

緊張する場面に決して強いわけではない。以前「自分はあがり症。リフトに乗ってスタートに向かうときも『あー気持ち悪い、あー吐きそう』と弱音を吐く」と話してくれたことがあった。一方で、「スタートバーの前に立つとすっと気持ちが入って、集中できる。その感覚が好きなんです」と目を輝かせながら語っていた。

そんな村岡は、初日の滑降で銀メダルを獲得し、重圧から少し解き放たれた。そして、湧いてきたのは、やれるだけやってみようという挑戦者の気持ちだ。
「金メダルを獲りたい――。その思いが強くなっていった結果、何かが吹っ切れたんだと思います」

競技初日、初めてのメダルを獲得したあと、こう話していた。
「あとは楽しんで滑れたらいいかな」。
そして、3個のメダルを獲って挑んだこの日の大回転は、前言通り競技を楽しんだと語っている。

滑降で銀メダル(写真)、その後も2個のメダルを獲得したことで落ち着いてスタートできたと語った ©X-1

チェアスキーとの出会いは11歳に遡る。埼玉で生まれ育った村岡選手にとって、限られたシーズンスポーツであるスキーは特別なもの。雪のあるゲレンデに行くこと自体が好きで、いつのまにか魅了され、夢中で滑っていた。

「やっぱり楽しんで滑っているといい滑りができるってことが多い。自分にとってスキーは楽しいものであり、大好きなもの。今日も滑っていてすごく楽しかったですし、そういう気持ちがあるからこそ、こうして勝つことができたと思っています」

プレッシャーに打ち勝ち、世界の頂点に上った村岡桃佳。この金メダルを新たな原動力とし、これからもまた、まだ見ぬ限界値に臨むはずだ。身長150㎝の小さな体で戦う、彼女が放つ輝きは多くの人にパワーを与え続けることだろう。

text by Asuka Senaga

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