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NSTまつりでスペシャルトーク・パラスポーツパーク・レゴ壁画が大盛況!
日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)は9月29日と30日の2日間にわたり、NST新潟総合テレビが主催する「NSTまつり2018」(新潟市中央区NST本社、万代シテイ)に参加。パラサポのスペシャルサポーターである稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんらとともに、地元の皆さんにパラスポーツやパラアスリートをもっと身近に感じてもらおうと体験イベントやトークショーで会場を盛り上げた。
スぺシャルサポーターの3人が息の合ったトークショーを展開
初日の29日には、「稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾×パラアスリートスペシャルトーク」と題したイベントを開催し、事前の抽選で当選した2300人が来場。会場周辺には3人の姿を一目見ようと、惜しくも当選に漏れたファンも詰めかけ、イベントへの関心の高さを感じさせた。
心配された雨もなんとか持ち、12時30分にトークショーは開演。この様子は、テレビで生放送されたのと同時に、観客席からの撮影も許されていたことからSNSを通じて全世界に発信された。3人が「新しい地図」の活動を始めて1年。「パラスポーツの魅力を全国に発信していきたい」というこの日の草彅さんの言葉通り、パラスポーツの知識を少しずつ深めていく3人の等身大の姿は、これまでパラスポーツを知らなかったファンにも共感を呼び、3人の思いの輪を着実に広げている。
さて、新潟には前日に入ったという3人は、「『ぬかいわし』や新鮮なのどぐろを堪能した」(稲垣さん)、「佐渡島を訪れてみたい。夢のなかでは何度も行っているんですが……」(草彅さん)、「(万代シティのシンボルである)レインボータワーの解体が決まっていると知って残念。お疲れ様でした!」(香取さん)など思い思いのコメントをして、地元ファンの心をわしづかみにした。
草彅さんの“いきみ顔”と稲垣さんのナイスシュートで大盛り上がり!
「僕たちもまだまだ知らないことばかりだけど、このような機会をいただき、少しずつ勉強している」と話す3人。この日はまず、草彅さんがパラ・パワーリフティングを実際に行い、その魅力や奥深さを体験してみることに。現役選手でパラサポ職員であるマクドナルド山本恵理選手の指導のもと、「運動が好き」という草彅さんは「がんばれ~」という声援のなかで20㎏、40㎏、60㎏と試技を重ねていく。最後の試技は惜しくも失敗に終わったものの、顔を真っ赤にしてチャレンジする姿に、会場からは歓声が上がり、「この“いきみ顔”も競技の魅力です!」と山本(恵理)選手。草彅さんが「自分との戦いですね」と言えば、稲垣さんは「ただ上げるだけではなく、美しさが必要なんですね!」と競技の醍醐味を伝えていた。
次は、稲垣さんが車いすバスケットボールプレーヤーの森谷幸生選手指導のもと、競技用車いすに乗ってドリブルやシュートに挑戦した。車いすバスケットボールを何度か体験済みの稲垣さんは、慎重にタイヤを回したかと思えば、車いすを軽やかに旋回して見せてクールな表情。しかし、ゴールをめがけてシュートにチャレンジするもすぐには決まらない。それでも、生中継の時間が限られている中でシュートを成功させて「さすが、スター」と言わんばかりの大きな拍手を浴びた。
香取さんが平昌で気づいた大切なこと
続いて、義足のロングジャンパーとして東京2020パラリンピックでの金メダルを目指す山本篤選手と3人によるトークショーが繰り広げられた。2008年の北京パラリンピックで日本のパラ陸上界で初めて義足でパラリンピックのメダルを獲った山本篤選手は、2016年のリオパラリンピックで走り幅跳び(T42)銀メダル、4×100mリレー(T42-47) 銅メダルを獲得した後、なんと冬季競技のスノーボードにも挑戦し、今年3月に平昌パラリンピックに出場した。「好き、楽しいという気持ちでやってきた。東京パラリンピックでは、たくさんの人が応援してくれるところで金メダルを獲りたい」と力強く話した。
実際に平昌パラリンピックに足を運び、スノーボードやアルペンスキーを観戦した香取さんは、パラリンピックで“あること”に初めて気づいたという。
「自分も心のどこかで、障がいのある人のスポーツを見たときに、(選手が)転んだり失敗しても、『いいんだよ、がんばって!』と思っていたみたいで。でも、いざ平昌に行ってみると、(転んだり失敗した人に対して)ものすごいブーイングなんです。そこで(パラスポーツは)スポーツなんだから、ダメなものはダメと言っていいんだ、ということに気づかされました」
そんな香取さんの言葉を聞き、当事者である山本篤選手はもちろんのこと、草彅さんも稲垣さんも深くうなずいていた。
香取さんは、「2020年に東京でパラリンピックがあるけれど、その前に、なんのパラスポーツでもいいから競技の会場に行って観戦する体験をしてから、2020年のパラリンピックを迎えてほしい」と実感を込めて語り、パラスポーツへの応援を呼びかけた。
その後、パラサポの東京2020パラリンピックへ向けた「OEN-応援フラッグ」プロジェクトのスタートを記念し、3人が筆入れを行った。「一緒にジャンプ!!」(草彅さん)、「心を一つに頑張ろう!!」(稲垣さん)、「Arigato! OEN!!」(香取さん)と書き込み、全国各地に展開されるフラッグの記念すべき1枚目が完成した。
香取さんはボッチャと車いす陸上のレーサーにチャレンジ
このあたりから雨足が強くなってきたが、日本ボッチャ協会の新井大基さんの進行により行われた香取さんと山本篤選手のボッチャ対決は白熱した戦いになった。「お酒を飲みながらボッチャやっても楽しいよね」などと話していた香取さんだったが、ゲームが進むとその表情は真剣そのもの。両者ともにナイススローを連発し、客席も大いに沸く。その歓声で気合が入ったのか、山本篤選手が自球を的に着実に寄せていき3-0で勝利! 香取さんと熱い握手を交わし、健闘を称え合った。途中、香取さんが、ジャックボール(的になる白いボール)をはじく場面もあり、来場者もボッチャのルールや奥深さを楽しみながら学ぶ機会になった。
続いて、香取さんがこの日のゲスト講師である西勇輝選手に手ほどきを受けながら車いす陸上の競技用レーサーに試乗。「前傾姿勢で座り続けるのがツラい」と感想をこぼしつつ、最高時速の計測にチャレンジし、時速15kmとまずまずの成績を残した。香取さんは、実際に体験して競技の難しさを感じた様子。西選手がレースでは40kmを出すという話を聞き、尊敬のまなざしを送っていた。
トークイベントはパラスポーツ応援ソング「雨あがりのステップ」の披露で締めくくられた。最後は、出演したパラアスリートやスタッフも壇上に登場し、一緒に大合唱。2020年に向けるそれぞれのおもいを、新潟の地に響かせたフィナーレとなった。
「OEN-応援」フラッグ寄せ書きブースやレゴ壁画展示ブースも大盛況
トークショーの後、同会場では引き続き、パラスポーツ体験イベント「i enjoy ! パラスポーツパーク」※を開催。また、NST本社1階スタジオSWITCHには、香取さんがパラサポのキーメッセージである「i enjoy !」をテーマにパラサポオフィスに描いた壁画を、レゴで再現したレゴ壁画を展示。その隣には「OEN-応援」フラッグの寄せ書きとフォトブースが設置され、レゴ壁画&応援フラッグの会場には2日間で約6000人が訪れる盛況ぶりだった。
※「i enjoy ! パラスポーツパーク」は、パラスポーツの体験を通じて一人でも多くの方にパラスポーツを楽しんでもらい、ファンになってもらう目的で全国展開しているパラスポーツのテーマパーク。新潟県内では初の開催。
「i enjoy ! パラスポーツパーク」で4つのパラスポーツ体験
i enjoy ! パラスポーツパークでは、パラ・パワーリフティングや陸上競技用の車いすレーサーのほかにも、車いすバスケットボールの体験レッスンやボッチャ体験が行われ、トークイベントに出演したパラアスリートらによる競技の説明やサポートのもと、子どもから大人まで大勢がパラスポーツを楽しんだ。
「NSTまつり2018」では、万代シティ会場で行われた「稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾×パラアスリートスペシャルトーク」に「i enjoy ! パラスポーツパーク」、NST本社のレゴ壁画、応援フラッグブースと、2日間で約9000人が来場。さらにスペシャルトークの様子は新潟総合テレビで1時間に渡って生中継され、パラスポーツの魅力が新潟を中心に多くの方に伝わったイベントとなった。
text by Asuka Senaga
photo by Hiroaki Yoda