数あるパラリンピック競技の中で唯一、車いす同士の意図的なタックルが許され、その激しさからかつては「マーダーボール(殺人球技)」という異名を持っていた車いすラグビー。元々は四肢麻痺者など比較的重い障がいのある人に向けて考案されたスポーツでありながら、コート上では本家のラグビーに負けずとも劣らないアグレッシブかつ激しい攻防が繰り広げられることで人気を博している。
日本では、車いすラグビーが1996年のアトランタパラリンピックでデモンストレーション競技として初登場した翌年に連盟が設立。以来、着実に普及・強化が進み、日本代表は2016年のリオパラリンピックの銅メダルに続いて2018年の世界選手権では初優勝を遂げるなど目覚ましい活躍を見せている。実は東京2020パラリンピックで最も金メダルに近いと言われてる車いすの団体競技が、この車いすラグビーなのだ。