次世代を担うパラアスリートを一挙紹介! 2018年度日本財団パラアスリート奨学金授与式

次世代を担うパラアスリートを一挙紹介! 2018年度日本財団パラアスリート奨学金授与式
2018.06.29.FRI 公開

2018年度の「日本財団パラアスリート奨学金」授与式が26日、日本体育大学(以下、日体大)の世田谷キャンパスで行われ、次世代を担う活躍が期待されるアスリート8人が出席した。

表彰式が行われた日体大・世田谷キャンパス
緊張した面持ちで授与式に出席した奨学生ら

「日本財団パラアスリート奨学金」は、日体大系列校の高校生、大学生、大学院生が対象で、学費・生活費・遠征費・義足や車いすなどの用具費を1人500万円程度負担するもの。パラリンピックなど世界レベルで活躍するパラアスリートの育成を目的に創設され、今年度で2回目となる。前年度は、リオパラリンピックの陸上競技・銅メダリスト・辻沙絵ら19人のパラアスリートに奨学金が支給され、そのうち2人の選手が平昌2018冬季パラリンピックの日本代表に選ばれる活躍をしている。

8人の奨学生に証書が授与された

奨学生代表「東京2020パラリンピックの代表を目指す」

車いすバスケットボールのホープ髙柗が代表あいさつ

授与式では、車いすバスケットボールU-23世界選手権日本代表の髙柗義伸(たかまつ・よしのぶ)が、奨学生代表としてあいさつ。
「学業や競技に集中できる環境を与えていただいた。大学では競技力強化につながるさまざまな専門分野を学び、2020年の東京パラリンピック代表になれるよう、そして世界で活躍できるよう日々精進する」と決意を述べた。

2018度の奨学生は以下の通り。


目指せ! 2020東京パラリンピック

●車いすバスケットボール・髙柗 義伸(たかまつ・よしのぶ)

車いすバスケットボール・髙柗義伸

U-23世界選手権日本代表(日体大1年・左下肢欠損)

「この奨学金制度に助かっているので、その感謝の気持ちと今後ますますがんばるぞという気持ちを込めた。車いすバスケットボールの競技用車いすは、オーダーメードであり、高価なもの。激しくぶつかることで損傷も激しく、部品も購入が必要になるなどお金がかかるが、今は思い切りプレーできてありがたい。中学生のときに骨肉腫のため左足を切断し、本格的に競技を始めたのは高校1年から。自分はセンタープレーヤーなので、シュートやリバウンドなどインサイドでのプレーを磨いていきたい。現在は今秋、開催される北九州チャンピオンズカップを目標にトレーニングに励んでいる。そこで、自分より大きな世界のプレーヤーをかわして結果を残し、一目置かれるようになればA代表の合宿に呼ばれるかもしれない。活躍し続ければ東京も夢じゃないと思うので、全力を注ぎたい」

●卓球・辻村 琢光(つじむら・たくみ)

卓球・辻村琢光

ドバイ2017アジアユースパラ競技大会・個人戦銅メダル(日本大1年・右上肢機能障がい)

「高校も大学も健常と一緒に練習しているという点では変わらない。大学は高校に比べ、“空きコマ”が多いので、その時間に友だちと筋トレを行ったり、サッカーをしたりして体を動かしている。昨年は8回ほど海外遠征を経験したが、遠征費はほぼ自費で親に負担をかけたと思う。今年は奨学金もいただけたので、基本のフットワークを強化し、9月の国際大会で世界ランキングを上げて東京につなげられるようにしたい」

●水泳・窪田 幸太(くぼた・こうた)

水泳・窪田幸太

2018年日本身体障がい者水泳連盟2018強化・育成選手(日体大1年・左上肢前腕欠損)

「障がいは生まれつきで、母親のすすめで水泳を始めた。現在は育成選手。奨学金は、その合宿や交通費、遠征費用に使いたい。得意種目は100mバタフライなのだが、今年度のルール改正で泳ぎ方が変わり、思うようなタイムが出せなくなってしまった。そこで、バタフライは一旦やめて、いまは自由形に専念することに。現在は、50m自由形での自己ベスト更新が目標。また、自分は腕というよりはキックで泳いでいるので下半身の強化に力を入れている。夢はパラリンピックに出場し、メダルを獲得すること。パラリンピックは多くの方にパラ水泳を知ってもらう絶好の機会。もっと盛り上がると思うので、まずは2年後の東京パラリンピックに向けて力をつけていきたい」

●卓球・佐藤 雄代(さとう・ゆうだい)

卓球・佐藤雄代
日本代表を目指し、パラFIDジャパン年代別オープン卓球大会などに参加 (日体大附属高等支援学校1年・知的障がい)

「中一からパラ卓球の大会に出場するようになり、2020年のパラリンピックに出ることを目標に練習している。ライバルは、全国チャンピオンの加藤選手やリオパラリンピック日本代表の竹守選手。現在は、とくに3球目攻撃がうまくできるように練習しているほか、フットワークを強化するために下半身の強化のトレーニングに力を入れている。パラリンピック出場が実現したら、『障がいがあっても、こんな風にスポーツできるんだよ』と、この競技の魅力を多くの人に伝えていきたい」

●水泳・北村 光希(きたむら・みつき)

水泳・北村光希
今年度から日本知的障がい者水泳連盟に登録予定(日体大附属高等支援学校1年・知的障がい)

「専門は100mバタフライ。(知的障がい者カテゴリーの)大会にはまだ出たことはなく、ライバルなどはいまはわからないが、目指しているのは2020年の東京パラリンピック。 現在は、高校の部活で練習していて、まずは次の大会で自分のベストである1分5秒を切ることを目標にしている。練習では、手のかき、キックの強さを意識して泳ぐようにしていて、先生には力強さをいかしてどんどん泳いで行けと言われている。奨学生に選ばれたので期待に応えられるようにがんばりたい」


目指せ! デフリンピック

●サッカー&フットサル・阿部 菜摘(あべ・なつみ)

サッカー&フットサル・阿部菜摘

アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会優勝&MVP(日体大1年・聴覚障がい)

「今日は少し緊張しましたが、素晴らしい機会を与えていただけたことが嬉しい。ポジションはFWとMF。小3からサッカーを始め、大学では健常者に混ざって練習している。これまではボールを持つとプレッシャーでミスをすることもあったが、4月のアジア選手権では落ち着いて自分のできることをやり切ることができ、その結果MVPを獲得することができた。2020年のろう者サッカーワールドカップに向けて、大学でレベルアップし、アジア大会の成果よりもさらにいい成果を発揮できたらいいなと思う」


目指せ! 北京冬季パラリンピック

●アイスホッケー・石川 雄大(いしかわ・ゆうだい)

アイスホッケー・石川雄大

日本代表を目指して強化合宿などに参加(日体大1年・左下肢機能障がい)

「授与式では、いろんな人に支えられてスポーツができることを改めて実感した。横浜のチームで車いすソフトボールをプレーしていたが、その大会で平昌パラリンピックのアイスホッケー日本代表の堀江航さんに出会ったのが転機になった。自分は機能障がいがあり、足が曲がらない。そこで、足を伸ばした状態でスレッジ(そり)に座れるアイスホッケーをすすめられ、その後アイスホッケーにチャレンジすることを決めた。まだ始めたばかりだが、スピーディーな展開やパワーあふれるプレーが多いことが魅力。自分は堀江さんに救ってもらったが、今度は自分が障がいのある子どもたちに障がいのある選手の可能性を伝えていけるような選手になれたらと思う」


目指せ! 全国制覇

●ソフトボール・高橋 麻琴(たかはし・まこと)

ソフトボール・高橋麻琴

ソフトボール部に在籍し、全国制覇目指す (日体大桜華高2年・左全手指欠損)

「一期生に友人(水泳の小池さくら)が選ばれていたが、今回まさか自分が選ばれるなんて思っていなくてビックリしている。高校では健常者に混ざって練習。ポジションはセンターで、全国大会の優勝を目指している。もともと中学はバレーボール部だったが、野球が好きだったので、高校ではソフトボールをやってみようかなと。目標はまだ決まっていないが、これから考えていきたい」


学校法人日本体育大学・松浪健四郎理事長(右端)、日本財団・笹川陽平会長(左端)とともに記念撮影
授与式はメディア公開のもとで行われた

text by Asuka Senaga
photo by X-1

次世代を担うパラアスリートを一挙紹介! 2018年度日本財団パラアスリート奨学金授与式

『次世代を担うパラアスリートを一挙紹介! 2018年度日本財団パラアスリート奨学金授与式』