視覚障害者柔道のルールは、通常の柔道とほどんど変わらないが、最大の特徴は、お互い組んでから試合が始まることだ。そして試合中は離れず、常に組んでいる状態で技を掛け合う。
一般の柔道は選手同士がなかなか組み合わず、観ていてじれったく思うこともあるが、このルールによって視覚障害者柔道には膠着状態が少なく、常にエキサイティングな試合展開を楽しめるのも魅力だ。
最初の組み方には手の位置など細かいルールがあり、自分の得意な形から始まるとは限らない。そのため、いかに自分有利の形に持ち込むかが重要になり、素早い崩し合いも見どころのひとつ。得意な形になるや放たれる、ダイナミックな柔道技の応酬は観ていて爽快感さえある。
そして常に組んでいるため、一本で決まる試合が多いのも見ていて面白い。残り数秒でも大逆転の一本チャンスが残されているため、選手は試合終了の合図を聞くまで諦めることもなく、観戦している側も最後までハラハラドキドキできるのだ。